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不動産取引のプロが教える交渉術

中古マンションの値引き交渉を成功させる5つのポイント。交渉方法、タイミングは?(3/5ページ)

秋津智幸秋津智幸

2017/05/02

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<ポイント3>値引き交渉すべきタイミングとは?

先ほど、値引き交渉はタイミングが重要ということを申し上げましたが、ここで詳しくご説明しましょう。ここでいうタイミングには「時期的なタイミング」と「取引のなかで切り出すタイミング」のふたつのタイミングがあります。

(1)時期的なタイミング
時期的なタイミングでいえば、売り主が不動産業者か、個人かで値引き交渉がしやすいタイミングが異なります。

まず、不動産業者が売り主の場合は、年度末やその業者の決算時期が狙い目となります。不動産業者の場合、不動産の販売は事業なので、やはり決算などのタイミングでは、多少安値になっても現金化したい物件が存在するからです。

特に、新築物件の場合は、建物が完成してもなお売り出し中の物件は値引き交渉しやすい物件といえます。建物は完成するとその時点から税金や維持費が発生するため、不動産業者としては、多少値引きしても売ってしまったほうがいいからです。 

一方、個人が売り主の場合は、なぜ売却するのか、その理由にもよるので、すべてに当てはまるわけではありませんが、売却開始から時間が経てば経つほど価格交渉に応じてもらえる可能性が高くなります。買い換えや転勤などで売り急ぐ必要がある物件であればなおさらです。

検討している物件がいつから売り出されているかといった情報がひとつの指標になると言えるでしょう。

(2)取引のなかで切り出すタイミング
取引のなかで値引き交渉するタイミングとしては、“その物件を購入してもいいと思った時点”が交渉のタイミングと言えます。

ただし、購入希望は口頭ではなく、購入申込書を提出することで意思表示するのが基本なので、そのタイミングで希望する金額を提示することになります。くれぐれも無理な値引き金額を提示するのは禁物です。売り主の立場に立って、「このぐらいなら…」という金額を提示するのがいいのではないでしょうか。

もし、妥当な金額がわからない場合は、不動産仲介業者の営業マンに相談するといいでしょう。

なお、売主物件を売り主から直接購入する場合は、売り主である不動産会社と対面でやり取りしているわけですから、購入の意思がある程度固まった時点から価格交渉が可能かどうか、担当者に相談してもいいでしょう。

また、詳しくは後述しますが、個人が売り主の中古マンションを購入する場合でも、正式な購入申し込みをする前に、不動産仲介会社を通して値引き交渉をすることは可能です。

ただし、どちらの場合でも正式な価格交渉は、希望金額を購入申込書を提出してからと考えておいてください。

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この記事を書いた人

不動産サポートオフィス 代表コンサルタント

公認不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引士、AFP、ファイナンシャルプランニング技能士2級。 神奈川県住宅供給公社にて、分譲マンション、一戸建・宅地分譲、高齢者住宅等の新規不動産販売部門に従事した後、同社賃貸部門にて賃貸物件の募集、管理業務に従事する。その後、不動産投資専門の仲介会社を経て、不動産コンサルタントとして独立。 現在は「不動産サポートオフィス」の代表コンサルタントとして、自宅の購入、不動産投資、住み替え、融資など多岐にわたる不動産に関する相談・コンサルティングを行なう。その他、不動産業者向けの研修や各種不動産セミナー講師、書籍、コラム等の執筆にも取り組んでいる。 主な著書に、「貯蓄のチカラ~30歳からのおカネの教科書」(朝日新聞出版)、「失敗ゼロにする不動産投資でお金を増やす!」「賃貸生活A to Z」(アスペクト)がある。

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