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老後の生活が不安な人は必読!

空き家率30%時代になっても、「賃貸」より「持ち家」が有利な4つの理由(3/6ページ)

牧野寿和牧野寿和

2017/03/14

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賃貸と持ち家ではどちらが有利なのか

しかし、生涯の家計収支を考えていくと、一生を賃貸で過ごすよりも、住宅を購入したほうがいいというのが、ファイナンシャル・プランナーとしての私の考えです。

その具体的な理由をお話する前に、一生賃貸で生活した場合と、住宅を購入した場合のそれぞれについて、どれくらいの住宅費がかかるのか見てみましょう。

よく住宅を購入しても賃貸で生活をしても、生涯では同じくらいの住宅費が必要と言われているのを聞きますが、実際はどうなのかを検証してみたいと思います。

現在30歳の夫婦が、90歳(女性の平均寿命約87歳に少し余裕を持たせた年齢)までの60年間でいくら住居費が必要か、単純にマンションを購入した場合と賃貸で生活をした場合とで計算してみます。

<購入した場合の条件>
購入価格:3000万円(購入時の諸費用などは考慮せず)

住宅ローンでの借入金:3000万円(35年返済、全期間固定金利、金利1.0%)

毎月の返済額:8万4686円(年間で101万6232円)

総返済額:約3556万円

管理費、修繕積立金:月額2万5000円、年間で30万円

固定資産税など年間支出額:12万円と仮定

<賃貸の場合の条件>
家賃:12万円(地域によって必要な敷金礼金保証金、更新料などは考慮せず)


(図表1)購入と賃貸、それぞれの支出額の合計

図表1の通り、購入したほうが有利という結果になりました。もちろん、このシミュレーションだけが正解なわけではなく、計算の方法によって結果は変わってきます。

また、このシミュレーションには含めていませんが、住宅購入時には諸費用と言われる物件価格以外の費用がかかりますし、住んでいる間にはメンテナンス費用のほか、水漏れの修繕費用などの想定外の支出が発生します。一方、賃貸の場合には引越し毎に費用が必要です。

そうした費用を含めて考えても、また、将来、家賃が物件の老朽化によって下がったり、家賃が安いところに引っ越したりしても、老後の生活での家計支出を考えると賃貸での生活は不安定であり、購入したほうが有利ではないかと言えます。

それでは、この検証を参考に住宅を購入した方がいい4つの理由をお話していきましょう。

次ページ ▶︎ | <理由1>教育費や老後資金を含めた生涯の家計収支が見通せる

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この記事を書いた人

CFP、一級ファイナンシャル・プランニング技能士

1958年名古屋生まれ、大学卒業後、約20年間旅行会社に勤務。出張先のロサンゼルスでファイナンシャルプランナー(FP)に出会い、その業務に感銘を受け、自らもFP事務所を開業。 その後12年間。どの組織にも属さない「独立系」FPとして、誰でも必要なお金のことを気軽に考えてもらうため「人生を旅に例え、お金とも気楽に付き合う」を信念に、日本で唯一の「人生の添乗員(R)」と名乗り、個別相談業務を行なうとともにセミナー講師として活動している。 また、賃貸不動産の経営もしており、不動産経営や投資の相談にも数多くのアドバイスやプランニングをしている。

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