空き家率30%時代になっても、「賃貸」より「持ち家」が有利な4つの理由(2/6ページ)
牧野寿和
2017/03/14
2033年には空き家率は30.2%、家が余る時代がやってくる
家を購入することの優先度が下がっているのは、当然といえば当然かもしれません。皆さんは、「2019年問題」をご存知でしょうか?
国立社会保障・人口問題研究所が5年ごとに発表している「日本の世帯数の将来推計(全国推計)」の2013年1月推計によると、日本の世帯総数は2019年に5037万世帯とピークを迎え、その後2035年には4956万世帯まで減少すると推定されています。
世帯数が減っていく時代がもう目の前に来ているのです。
世帯数人口が減るのに、これまで通りに住宅が建設され続ければ、住宅はますます供給過剰になり、空き家が増えていきます。また土地の価格、建売りやマンションの価格も下がるでしょう。2年後の2019年から起ころうとしているこうした問題が「2019年問題」です。
さらに、野村総合研究所(NRI)の「ニュースリリース2015年6月22日」では、既存住宅の除却や住宅用途以外への有効活用が進まなければ2033年の総住宅数は約7100万戸、空き家数は約2150戸、空き家率は30.2%に上昇すると予測しています。何らかの対策が打たれないと、空き家が増加するばかりです。
こうした数字を目のあたりにすると、ますます住宅購入を躊躇する人も増えるでしょう。
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この記事を書いた人
CFP、一級ファイナンシャル・プランニング技能士
1958年名古屋生まれ、大学卒業後、約20年間旅行会社に勤務。出張先のロサンゼルスでファイナンシャルプランナー(FP)に出会い、その業務に感銘を受け、自らもFP事務所を開業。 その後12年間。どの組織にも属さない「独立系」FPとして、誰でも必要なお金のことを気軽に考えてもらうため「人生を旅に例え、お金とも気楽に付き合う」を信念に、日本で唯一の「人生の添乗員(R)」と名乗り、個別相談業務を行なうとともにセミナー講師として活動している。 また、賃貸不動産の経営もしており、不動産経営や投資の相談にも数多くのアドバイスやプランニングをしている。