ウチコミ!タイムズ

賃貸経営・不動産・住まいのWEBマガジン

プロが教える「住まい選び」の新常識

マンションは「住み心地」で選んではいけない! その3つの理由とは?(4/4ページ)

市川 貴士市川 貴士

2017/01/12

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE
  • Hatebu

<理由3> 資産価値は万人共通の価値

資産価値が高いということは、「多くの人がほしいと思う」ということでもあります。つまり、資産価値は万人に共通の価値と言えます。

「同じ価格なら広い部屋に住みたい」という理由から、都心から遠く離れたエリアに物件を購入したとしても、都心に近い利便性の高い物件と比べた場合、将来、高く売れるのはどちらの物件でしょうか。
これから人口が減少していく地方都市では、市街地中心部に都市機能が集まるコンパクトシティ化が進んでいくでしょう。それなのに、釣りが好きだからと街の中心から車で30分以上かかる河川の近くに住まいを持ったとしたら、10年後、20年後にその物件をほしいと考える人はどれだけいるでしょうか。

資産価値を考えれば、万人が価値を感じる物件を選ぶことが大切です。そうした物件のほうが、将来、価格が大きく下落する可能性は低いと言えるでしょう。そうした視点で物件を選ぶことで、将来的に何百万円、何千万円という資産価値の差が出てくることもあるはずです。

営業マンに「マンションの資産価値」を聞いてはいけない

繰り返しになりますが、資産価値、つまり「買ったマンションが将来いくらで売れるか?」ということに最も影響するのが「立地」です。
前回の記事(「信頼できる不動産営業マンを一発で見抜く、たったひとつの質問」 http://sumai-u.com/?p=7660 )でもご説明したように、残念ながら、不動産会社の営業マンで自分が販売するマンションの立地に精通している人は、ごく一握りです。

(参考記事)
信頼できる不動産営業マンを一発で見抜く、たったひとつの質問

また、彼らは、販売のプロではあっても、不動産のプロではないという側面もあります。もし、「この物件を買ったら、将来、損しなくてすみますか?」といったストレートな質問を営業マンにぶつけたとしても、ほとんどの場合は答えられないはずです。また、彼らは物件を売ることが仕事ですから、その答えを知っていたとしても答えられないというケースもあるでしょう。

ですから、マンション購入を検討する際には、そのマンションの「不動産としての価値」をご自身でしっかり確認して、価格に納得できるかどうかを真剣に考えていただきたいと思います。
「物件価格をいくら値引いてもらった」「家具をつけてもらった」といった点も検討材料としては重要ですが、10年後、20年後にそのマンションを「いくらで貸せるか」「いくらで売れるか」といったことに敏感になっていただければ、将来、後悔する可能性を大きく減らせるはずです。

どういった物件が資産価値の高い物件といえるのか、その考え方については、また改めてお話ししたいと思います。

(参考記事)
頭金ゼロで買う物件は『資産価値』に注目して選ぶ
頭金ゼロで買うなら資産価値の目減りが少ない『中古住宅』が狙い目です!
信頼できる不動産営業マンを一発で見抜く、たったひとつの質問

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE
  • Hatebu

この記事を書いた人

株式会社国際不動産エージェント 代表取締役社長

宅地建物取引士。公認不動産コンサルティングマスター。 1961年生まれ。東京外国語大学中国語学科卒業。 84年、株式会社リクルート入社後、株式会社リクルートコスモス(現コスモスイニシア)へ転籍。25年間の在籍中、不動産営業・マーケティング・商品企画に従事。その後、海外不動産の販売に従事し独立。世界各国の不動産の視察、販売を行なうほか、セミナー講師としても活躍。 30年のデベロッパー経験を活かし、独自の不動産マーケティング理論を組み合わせた分析を得意とする。14ヵ国38都市の不動産を視察し、現在も毎月海外視察を継続中。わかりやすい解説と不動産マーケットを知り尽くした深い視点からの語りが好評。

ページのトップへ

ウチコミ!