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団体信用生命保険や住宅ローン控除にも影響あり

夫婦で収入合算して住宅を購入するときの注意点は?(2/4ページ)

秋津智幸秋津智幸

2016/02/07

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収入合算の際に注意すべき点

収入合算は、使い方によっては非常に使い勝手のよい手段ではありますが、注意しておきたい点もいくつかありますので、その点を説明しましょう。

収入合算の際、主たる債務者(たえば夫)と従たる債務者(たとえば妻)の関係も注意が必要なポイントです。

まず、従たる債務者が「連帯債務者」となる場合についてです。住宅ローンをひとつの債務とすると、その債務に対して、夫も妻もそれぞれが全額の債務を負うのが「連帯債務」といわれる関係です。

たとえば、夫が主たる債務者で3000万円の借り入れをした場合、連帯債務者の妻も3000万円の返済義務を負い、どちらも返済する義務を負います。そのため、金融機関からは夫と同様に妻にも返済を求められます。従たる債務者が「連帯債務」となる代表的な住宅ローンは【フラット35】です。

次に、従たる債務者が「連帯保証」となる場合です。夫が主たる債務者で妻が「連帯保証人」とすると、妻は夫による返済が滞った場合に、夫の返済能力の有無にかかわらず、夫に代わり返済する義務を負います。

ただ、この場合でも金融機関にとっては、夫のみが“債務者”です。上記の「連帯債務者」は夫婦ふたりがひとつの住宅ローンの債務者であるのに対して、妻が連帯保証人ではあくまでも夫ひとりの住宅ローンといえます。一般の金融機関では、連帯保証のみとしているところが多いようです。

さらに、「ペアローン」というものもあります。「ペアローン」は、夫婦それぞれが別々に住宅ローンを組むものというものです。夫も妻もそれぞれが主たる債務者となります。

「ペアローン」では、妻は夫の借り入れに対し、夫は妻の借り入れに対して、互いに連帯保証人になります。互いに連帯保証人になるため、本人が返済できない場合には相手方の返済の義務を負います。この借り方では、住宅ローンは夫婦でふたつ組むことになります。

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この記事を書いた人

不動産サポートオフィス 代表コンサルタント

公認不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引士、AFP、ファイナンシャルプランニング技能士2級。 神奈川県住宅供給公社にて、分譲マンション、一戸建・宅地分譲、高齢者住宅等の新規不動産販売部門に従事した後、同社賃貸部門にて賃貸物件の募集、管理業務に従事する。その後、不動産投資専門の仲介会社を経て、不動産コンサルタントとして独立。 現在は「不動産サポートオフィス」の代表コンサルタントとして、自宅の購入、不動産投資、住み替え、融資など多岐にわたる不動産に関する相談・コンサルティングを行なう。その他、不動産業者向けの研修や各種不動産セミナー講師、書籍、コラム等の執筆にも取り組んでいる。 主な著書に、「貯蓄のチカラ~30歳からのおカネの教科書」(朝日新聞出版)、「失敗ゼロにする不動産投資でお金を増やす!」「賃貸生活A to Z」(アスペクト)がある。

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