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賃貸で同棲を始めたカップルが陥りやすい5つの落とし穴(3/4ページ)

橋本みゆき橋本みゆき

2017/05/16

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<4>入居審査の厳しさと保証人問題

「ふたりで住むのだから、収入も2倍。だから入居審査なんて余裕!」と思っていませんか?

実は、同棲カップルの賃貸契約の審査は通りづらいと言われています。なぜなら、基本的に賃貸契約はどちらかひとりの名義(彼氏名義または彼女名義)で行なうからです。

実際には、ふたりで50~60万円ほどの収入があっても、契約者の年収を基準に審査をします。そのため、一般の契約でむずかしい場合に提案されるのが「連名契約」です。どちらかだけを契約者にするのではなく、入居者全員を契約者とする賃貸契約になります。

「じゃあ、その連名契約にしよう!」と、簡単に決めてはいけません。

あまり考えたくないことですが、仮に破局を迎えてしまった場合でも、どちらかの名前を借り主欄から外すことができなくなります。そうなってしまえば、自分は別の場所に住んでいるのに、家賃支払い発生の義務があり、退去時には原状回復義務なども発生してきてしまうのです。

また、賃貸契約の保証人問題もあります。どちらかが契約者の場合には、契約者の親族を保証人とするのが一般的です。仮にですが、「契約者は彼氏、保証人は彼女の父」としてしまえば、先程と同じように、破局後に大きな問題が発生してきます。その上、連名契約だった場合、それぞれの契約者に保証人をつける必要があるのです。

しっかりと契約内容を理解すると同時に、いざという時のことを考えて、賃貸契約に踏み切ることをおすすめします。

余談ですが、以前よりは、ルームシェアや同棲に対してのイメージはずいぶん寛容になっています。しかし、やはり年配の大家さんのなかには、同棲に難色を示す方も少なくありません。「結婚前に同棲なんて…」そんな古い考えを持っている方は、以前に比べれば少なくなりましたが、まだまだいらっしゃいます。

さらに生活騒音や、片方が引越しをした場合の後々の支払いはどうなるのか? という不安材料の多さから、同棲カップルの入居に難色を示される大家さんも少なくはないのが現実です。

ちなみに、どちらかひとりが暮らしている賃貸の部屋で、途中から同棲するケースもあるかと思います。その場合、必ず管理会社や大家さんに同棲について伝えるようにしてください。

物件によっては、入居者はひとりと決められているものもあります。

また、同居が可能な物件であっても、通常、契約時には同居人の有無を確認します。

賃貸契約書を見れば、契約途中で同居人の有無に変更があった場合などは管理会社へ報告しなければならない旨が書かれているはずです。

もし、無断で同棲を始めてしまって管理会社や大家さんに見つかった場合、契約違反で退去を求められるかもしれません。

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この記事を書いた人

住宅ライター・ファイナンシャルプランナー

銀行員、不動産会社、OL、新聞社、広告代理店を経てライターに。宅建やファイナンシャルプランナー、証券外務員、色彩検定などの資格を取得。住宅の選び方からインテリアまで幅広く執筆中。

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