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同じ条件なのに周りの部屋の家賃が自分の部屋より安い…そんなときどうする?(1/2ページ)

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イメージ/©︎liza5450・123RF

私も家賃を下げてほしい

人生、つらいことや悔しいこと、ガッカリするようなことなど、いろいろと経験するものだが、特にお金が絡むとその度合いはひとしおだ。賃貸住宅に暮らす入居者の立場でも、そうしたことは当然起こる。以下のような例などもよく耳にするひとつだろう。

声の主を仮にAさんとしたい。いま住んでいる賃貸マンション・アパートの他の部屋の家賃が自分の部屋より安くてショック! 納得がいかない――の声だ。

「私の住んでいるマンションの別の部屋がいま空室になっていて、入居者を募集しています。そこで不動産ポータルサイトを開き、検索したところ、家賃が安いんです。私の部屋よりもかなり……」

「どのくらい安いんですか?」

「私は6万円、その部屋は5万1千円です。ですが、こんなに差がつくのは心外です。部屋のある階は同じで、間取りや仕様など、条件はまるで一緒の筈なんです」

「そうですか。9千円の差ですと年間で10万8千円。大きいですね。ちなみにAさんはそこに何年お住まいなんですか?」

「10年になります。多分その間、私の部屋を除いた周りの部屋は、入居者が変わるたびに家賃が下げられていたんです。なにしろ空室になると埋まるまで結構長引いてしまう、あまり人気のない物件みたいなので……」

「するとAさんはどうされたいと?」

「私の部屋の家賃も下げてほしい。募集中の部屋と同じ5万1千円にいますぐ下げてもらいたいです。とはいえ、現在の6万円という賃料は、私が10年前に納得して契約し、その後も契約更新を重ねてきたものです。なので、いまのタイミングでそんなことを頼んでも無理なのかなと……」

交渉は自由 法律もサポート

さて、上記の賃貸マンション、事情はおそらくAさんが推測するとおりだろう。

Aさんによると、確かな記憶として10年前は、問題の部屋もAさんの部屋と同じ6万円の家賃で募集がされていたそうだ。つまり、Aさんのみならず貸主(オーナー)も、両物件の商品価値についてはこれを同じ程度のものと当時は見ていたことになる。

しかし、件の部屋はAさんの部屋と違い、過去に入居者の入れ替わりが多かったらしい。そのたび募集に苦戦し、家賃も少しずつ下げられてきたようだ。

また、当該マンションの周辺における賃料相場をみても、ここ10年といえばざっと下落傾向だ。Aさんのいう「あまり人気のない物件みたい」との印象は、そうした背景があってのものといえるだろう。

そこで一気に結論だ。Aさんは、その希望が固いならば、すぐにでもオーナーに対し家賃の減額交渉を持ちかけてみるといい。次の契約更新を待つ必要もない。

「いまのタイミングでそんなことを頼んでも無理なのかな」との疑問についても問題ない。実は法律がそれをサポートしてくれている。

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この記事を書いた人

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賃貸住宅に住む人、賃貸住宅を経営するオーナー、どちらの視点にも立ちながら、それぞれの幸せを考える研究室

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