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離婚するとひとり親!? 行政によるひとり親家庭支援の現状と課題 〜共同養育コンサルタントしばはし 聡子コラム〜(2/4ページ)

しばはし聡子しばはし聡子

2018/09/13

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◾️面会交流の現状と子どものきもち

厚生労働省の統計によると、離婚件数は年間約23万件、うち子連れ離婚件数は年間約13万件。そして、離婚家庭の子どもは年間23万人、うち離れて暮らす親と会えなくなっている子どもは毎年16万人ずつ増えています。人数の多さに驚かされますね。

親の離婚によって、ある日突然父親と会えなくなり、母親には会いたくても会いたいと言えない状況に追い込まれる子どもも多く見受けられます。母親を傷つけないように、機嫌が悪くならないようにと、小さいながらに一生懸命空気を読んで言葉を選びながら本心を言えずに育っていく子も少なくありません。

◆面会交流をしないデメリット

子どもは父親に会えないまま育つと、悲しみや怒り、抑うつや不安など内面的な問題に影響し、自己肯定感の低下につながります。また、他人との信頼構築に不安を覚え、不登校や引きこもりになりやすいなど、子どもの成長にとって多くのデメリットがあることが心理学的に証明されています。

また、母親にとっては面会交流を行わないことによって、子どもが成長した時に信頼感が低下したり、父親との関係がさらに悪化したり、ひとりで子育てをすることの負担により疲弊したりするといったデメリットも多くあります。

◆面会交流をするメリット

かたや、継続的に父親と会えている子どもは、愛情確認ができアイデンティティが確立することはもちろんのこと、父親と共に過ごすことで得られる知識や体験が糧となり、人間的にも大きく成長するといったメリットもあります。

また、自分のせいで親が別れてしまったと責める子も少なくありません。そのような不安を抱かずに安心して育つためにも父親と継続的に会える環境が整っていることが重要といえます。

母親にとっても、面会交流を行うことは、父親に預けることでひとりの時間が確保できたり、自身にもしものときに子どもが頼れる場所が確保できたり、そしてなにより、養育費が確保しやすいといったメリットも多くあります。

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この記事を書いた人

一般社団法人りむすび 共同養育コンサルタント

1974年生まれ。慶應義塾大学法学部卒。自身の子連れ離婚経験を生かし当事者支援として「一般社団法人りむすび」を設立。「離婚しても親はふたり」共同養育普及に向けて離婚相談・面会交流支援やコミュニティ運営および講演・執筆活動中。 *りむすび公式サイト:http://www.rimusubi.com/ *別居パパママ相互理解のオンラインサロン「りむすびコミュニティ」 http://www.rimusubi.com/community *著書「離婚の新常識! 別れてもふたりで子育て 知っておきたい共同養育のコツ」️

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