逃げる? 向き合う? 子連れ離婚の相談で気をつけること 〜共同養育コンサルタントしばはし 聡子コラム(3/4ページ)
しばはし聡子
2018/09/07
◾️ずっと逃げ続ける人生って…
なかには、「居場所を知らせずに保護してくれる施設があるから、子どもを連れて逃げてその間に離婚の手続きを進めるように」「弁護士にすべて任せれば表に出なくて大丈夫」といったアドバイスを受けることも。
アドバイスのとおり子どもを連れて家を出る。一時的にはそれで済むかもしれません。ただ、夫からずっと逃げる人生を送ることが本当に夫から解放されたことになるのでしょうか。居場所が見つからないように住所を伏せ、子どもを父親に会わせず、ひとり親家庭支援や生活保護などの経済的支援を受けながら、ひとりで育てていくことが本当にゴールなのか、先のことを想像してみてください。そして、違った視点でアドバイスをくれる人に相談してみることもひとつです。
仮に離婚をできたとしても、ずっと夫から追われているようで、悪いことをしているわけでもないのに隠れながら生きていかなくてはならないことは、夫と離れても結局精神的なダメージは続くことになりかねません。
◆逃げるだけではなく向き合うきっかけを
一時的に逃げたり守られたりしても、いつかは自立しなくてはなりません。別居や離婚をしても、子どもがいるかぎりは親同士の関係は続きます。逃げ続けるだけではなく、今後のことや子どものことにきちんと正対し向き合うことに意識を向けてみることもひとつです。
直接話すことが困難な場合は、弁護士を頼る手段もひとつですがが、子どものことを念頭に入れた策を練ってくれる弁護士を選ぶことが子どものために大切です。また、調停や裁判といった司法の場では、争いになってしまう傾向にあるため、気持ちの面での仲介をしてくれるカウンセラーや、専門家を仲介にして協議ができるADRという方法を利用するのもひとつです。
この記事を書いた人
一般社団法人りむすび 共同養育コンサルタント
1974年生まれ。慶應義塾大学法学部卒。自身の子連れ離婚経験を生かし当事者支援として「一般社団法人りむすび」を設立。「離婚しても親はふたり」共同養育普及に向けて離婚相談・面会交流支援やコミュニティ運営および講演・執筆活動中。 *りむすび公式サイト:http://www.rimusubi.com/ *別居パパママ相互理解のオンラインサロン「りむすびコミュニティ」 http://www.rimusubi.com/community *著書「離婚の新常識! 別れてもふたりで子育て 知っておきたい共同養育のコツ」️