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週末田舎暮らしの毎日が色鮮やかな本当の理由

「旅」の楽しみから「定住」の愛着へ、続けるほど深まる二地域居住の魅力とは?(1/4ページ)

馬場未織馬場未織

2017/03/16

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二地域居住の魅力は「旅する人生」? それとも「とどまる価値?」

「週末田舎暮らしをしています」というと、まず注目されるのは“週末”でも“田舎暮らし”でもなく、その間にある往復運動についてだということが多いです。

「毎週末、大変ですね」と言われ、何か常に移動している人だという印象を与えるのだということに気づきます。二地域居住はどちらかというと、ノマドライフや旅する人生の類としてとらえられている証拠ともいえます。

変化と刺激のあるライフスタイルに、漠然とした可能性や夢を感じる人は多いでしょう。いつもの場所、代わり映えのない日常、固定されたコミュニティ、そんな閉塞感を打破してくれる何かがあるのではないか、と。そうすれば、人生の次のステージに行けるかもしれない!と。

自由と自己改革を求める気持ちから、“旅”の要素を欲するように二地域居住を求める人もいるでしょう。そして実際、その効果も大いにあります。

同時に言えるのは、二地域居住はふたつの地域に根を張る暮らしですから、“定住”の要素も多分に含まれているということです。実際、平日の家がある場所も、週末の家がある場所も、自分にとっては地元であり時間を重ねていく場所です。

そうした“とどまる価値”については、これまであまり注目されていないような気がしています。大抵の人はどこかに定住していますから、新鮮味がないのかもしれません。

そこで今回は、二地域居住のなかにある“旅” 要素と“定住” 要素について、それぞれ考えてみようと思います。

次ページ ▶︎ | <旅要素1>旅のような高揚感を楽しめる

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この記事を書いた人

NPO法人南房総リパブリック理事長

1973年、東京都生まれ。1996年、日本女子大学卒業、1998年、同大学大学院修了後、千葉学建築計画事務所勤務を経て建築ライターへ。2014年、株式会社ウィードシード設立。 プライベートでは2007年より家族5人とネコ2匹、その他その時に飼う生きものを連れて「平日は東京で暮らし、週末は千葉県南房総市の里山で暮らす」という二地域居住を実践。東京と南房総を通算約250往復以上する暮らしのなかで、里山での子育てや里山環境の保全・活用、都市農村交流などを考えるようになり、2011年に農家や建築家、教育関係者、造園家、ウェブデザイナー、市役所公務員らと共に任意団体「南房総リパブリック」を設立し、2012年に法人化。現在はNPO法人南房総リパブリック理事長を務める。 メンバーと共に、親と子が一緒になって里山で自然体験学習をする「里山学校」、里山環境でヒト・コト・モノをつなげる拠点「三芳つくるハウス」の運営、南房総市の空き家調査などを手掛ける。 著書に『週末は田舎暮らし ~ゼロからはじめた「二地域居住」奮闘記~』(ダイヤモンド社)、『建築女子が聞く 住まいの金融と税制』(共著・学芸出版社)など。

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