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金利や借入期間などの条件は?

年収別おすすめ金融機関は? サラリーマン大家が不動産投資ローンについて知っておくべき5つのこと(5/5ページ)

川口豊人川口豊人

2017/03/21

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<5>不動産投資ローンのリスクは?

もうひとつ知っておいていただきたいのは、リスクについてです。

そもそも投資をするということには、リスクがあると認識して行なうことが重要です。不動産投資の場合は、建物の老朽化などで家賃を引き下げることになり収入が目減りする、もしくは空室が増加することが最大のリスクとなります。

空室が出るとローン返済がむずかしくなることもあるので、返済ができなくなることを想定して、給与収入を増やしておくことや、不動産をリスク分散して色々なエリアに所有しておくことが重要です。

また、物件を売却する場合、ローン返済があまり進んでいない段階で売却することになると、売却金額がローン残高を下回り、手元資金を返済に充ててもローンが残ってしまうこともあります。その場合、金融機関の抵当権が外せないので、売却ができないことも考えられます(抵当権が設定されたままの不動産を購入する人はいません)。

したがって、売却価格をローン残高が下回ることのない資産価値の高い物件を購入することが理想です。

(参考記事)
不動産投資で総資産10億円超! メガ大家さんが破綻する日

低金利でもいま借りてはいけない

近年、金融緩和、マイナス金利の影響で、不動産投資ローンの融資が借りやすい状況が続いていました。現在は、不動産向け融資の残高がバブル期を超えたとも言われています。マイナス金利や金融緩和によって、かつては融資を受けられなかった属性の人たちが参入してきたため、不動産投資ブームが加熱してしまったのです。

そのため、金融庁は不動産投資向け融資に対する監視を厳しくする方針を打ち出しています。そのため、民間金融機関はより厳格に審査をしなければならなくなるはずです。

事実、29年 4月から各金融機関が審査基準を厳しくすると言っていますので、いま現在は、物件価格は高い水準にありますが、今後は若干変化が出てくるのではないでしょうか。

そこで気になるのが、いまは借りどきなのかということですが、いまはそのときではないというのが私の考えです。

不動産は多額の資金を必要とするので、借り入れに頼る部分が大きい投資です。先ほども書いたように、金融機関の融資審査は厳しくなるため、現在は高い水準にある物件価格が下降していく可能性が出てきています。また、価格が下がりにくいエリア、特に都心に近いエリアは利回りが低過ぎて、いま購入しても返済が厳しいでしょう。

不動産投資は物件を購入することがゴールではなく、その後が重要です。決して買い急ぐことのないよう、慎重に投資判断をしてください。

(参考記事)
利回りは信じるな! 累計投資額1000億円の不動産投資のプロが実践する価値ある物件の見分け方

 

 

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この記事を書いた人

株式会社コンシェル川口 代表取締役

1979年千葉県生まれ。 税理士事務所に勤務していた25歳のときに祖父から郊外の赤字アパートの管理を引き継ぎ、黒字化に成功する。 通常の税理士事務所では相続税額の計算や節税についてのアドバイスはできても、不動産の管理運営業務や不動産投資に近いアドバイス、相続税を軽減していく作業ができていない現状を鑑み、株式会社コンシェル川口を立ち上げる。現在は、地権者などを中心に不動産の管理運営面と税務面をワンストップで解決するサービスを提供している。 不動産投資家としても、10数年の実績を持つ。

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