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医療・介護問題だけではない――高齢者の財産管理における「2025年問題」(4/4ページ)

藤戸 康雄藤戸 康雄

2021/06/28

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高齢者の財産管理における最も大切なこと

ここまで、認知症になるかもしれない、なってしまった場合の財産管理に関する法的な対応方法を述べてきた。既に読者の中にはいずれかの対処方法をとられている方もいるだろう。だがしかし、いずれの方法も一長一短あることも事実だ。よく研究されれば「複数の方法を組み合わせる」ということも必要かもしれない。最後に私から最も大切なことを伝えたいと思う。それは、認知症になるかならないかは別として、人は誰でもいつかは死を迎える。そのときまで元気でいられればいいのだが、認知症やその他の病気で自分で自由に預金を下ろしたりする行動の自由が利かなくなる場合もあるものだ。そのとき、周りの家族がどうしたらいいのかを元気なうちに家族でよく話し合っておくことが最も大切なのだ。そうすれば、いざその時を迎えても、ここで述べた法的な対処策のいずれかを適切に選ぶことができるだろう。

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この記事を書いた人

プロブレムソルバー株式会社 代表、1級ファイナンシャルプランニング技能士、公認不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引士

1961年生まれ、大阪府出身。ラサール高校~慶應義塾大学経済学部卒業。大手コンピュータメーカー、コンサルティング会社を経て、東証2部上場していた大手住宅ローン保証会社「日榮ファイナンス」でバブル崩壊後の不良債権回収ビジネスに6年間従事。不動産競売等を通じて不動産・金融法務に精通。その後、日本の不動産証券化ビジネス黎明期に、外資系大手不動産投資ファンドのアセットマネジメント会社「モルガン・スタンレー・プロパティーズ・ジャパン」にてアセットマネージャーの業務に従事。これらの経験を生かして不動産投資ベンチャーの役員、国内大手不動産賃貸仲介管理会社での法務部長を歴任。不動産投資及び管理に関する法務や紛争解決の最前線で活躍して25年が経過。近年は、社会問題化している「空き家問題」の解決に尽力したい一心で、その主たる原因である「実家の相続問題」に取り組むため、不動産相続専門家としての研鑽を積み、「負動産時代の危ない実家相続」(時事通信出版局)を出版、各方面での反響を呼び、ビジネス誌や週刊誌等に関連記事を多数寄稿。

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