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賃貸経営、暑い季節の重要課題――内見した入居希望者が逃げ出している理由とは (2/3ページ)

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もうひとつの大きなニオイの原因、それは排水口だ。

暑い季節は、排水トラップ内の乾燥が起こりやすくなる。これが、しばしば空室内に悪臭を発生させる。

ちなみに、排水トラップとは、排水口の下にある、U字、S字といったかたちをした構造のことだ。キッチンのシンク、バスルームなど、あらゆる水まわりに存在する。

この排水トラップに、普段は水が貯まっていて、下水管内の空気と室内とを遮断してくれている。ちなみに、この水のことを封水、または水封という。なので、管はつながっていても、下水のニオイは部屋まで立ちのぼって来ない。シンプルかつ、優れた仕組みとなっている。

ところが、そんな優れた排水トラップが、部屋が空室になり、排水口に水が流されない状態が続くと、やがて役に立たなくなる。中の封水が蒸発してしまうからだ。暑い時期は特にそれが起こりやすい。管の内側が、下水から部屋まで直通となってしまい、下水管内の空気が室内に到達することで、悪臭が生じるかたちだ。

これまで賃貸物件で実際に経験したもっともニオイがひどかったケース、それはトイレで起きていた。周知のとおり、排水トラップは便器の底にも付いている。トイレのフタを開ければ、そこにいつも見えている水こそが、トイレにおける封水だ。ところが、その部屋では、この封水がすべて蒸発し、無くなっていた。

すると、何が起こるか?

イヤな話だが、排泄物が流れるトイレの排水管の中の空気が、そのまま部屋までのぼってくる。よって、当然ながら、その部屋にはその種の臭いがキツく漂っていた。

察するに、オーナーも、管理会社のスタッフも、トイレの水が蒸発し、なくなってしまうくらいの長い間、部屋を見に来ていなかったのだろう。あるいは、たまに来たとしても、水まわりにまで気を配ってはいなかったのだろう。そのことが一目瞭然の事例だった。

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