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不動産業界にも影響を及ぼすコロナウイルス(2/3ページ)

森田雅也森田雅也

2020/04/14

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・空き室問題
引っ越しシーズンが終わり、コロナウイルスによる影響が今後どれくらい続くか見通しがたたない現状においては、空き室が埋まる確率も平常時に比べ下がっています。

コロナウイルスによる影響がいつまで続くか分からない現状では、今住んでいる賃借人ができる限り退去しないよう対応することが、インカムゲインにおいては望ましいと思われます。

・賃料について
コロナウイルスの影響で収入が減少した人が多数います。中には、内定取消し、解雇、破産、倒産などの労働問題にまで発展しています。

このままでは家賃を支払うことができないテナントや賃借人が増加し、賃貸人の収入にも影響を与えることが目に見えています。

そこで、賃貸人として今後どのような選択肢があるか、行政の要請を踏まえ、ご説明いたします。

1テナントのオーナー

緊急事態宣言が発令され、街を見渡すと、閉められたシャッターに「緊急事態宣言発令に伴い、当面の間休業します」という張り紙がされているのをよく見かけるようになりました。

閉店しているテナントは休業中、一切の利益が出ないにもかかわらず、家賃を支払うことを余儀なくされます。これは、テナントの場合、大多数が固定賃料+変動賃料(歩合賃料)という仕組みになっていると思われますが、休業した場合において変動賃料が0だとしても、固定賃料を支払う必要があることを意味します。

これに伴い、国土交通省は3月31日にテナントの家賃支払いの猶予などを各事情に鑑み、柔軟に応じるよう要請しました。

もちろん、オーナー(賃貸人)もビジネスである以上、家賃収入が無くなるのは困ります。そもそもお店の休業に伴い、変動賃料は無くなっているので、その分の収入もすでに減少しています。

ただ、従前の家賃(固定賃料)を徴収し続けることにより、テナントの撤退や破産・倒産が考えられます。

仮にテナントが撤退や破産、倒産をしてしまったら、新たなテナントの入居が決まるまでは、当該物件からの収入は無くなってしまい本末転倒となってしまいます。

そこで、テナントのオーナーも一概に従前の賃料を徴収しつづけるよりは、一時支払いの猶予や、休業中の家賃分は、営業再開した際に分割し通常賃料に上乗せして支払ってもらうなどの対策をするほうがいい場合もあります。もちろん、テナントによっては通常営業していたりするので、個別の判断が必要になってきます。

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この記事を書いた人

弁護士

弁護士法人Authense法律事務所 弁護士(東京弁護士会所属)。 上智大学法科大学院卒業後、中央総合法律事務所を経て、弁護士法人法律事務所オーセンスに入所。入所後は不動産法務部門の立ち上げに尽力し、不動産オーナーの弁護士として、主に様々な不動産問題を取り扱い、年間解決実績1,500件超と業界トップクラスの実績を残す。不動産業界の顧問も多く抱えている。一方、近年では不動産と関係が強い相続部門を立ち上げ、年1,000件を超える相続問題を取り扱い、多数のトラブル事案を解決。 不動産×相続という多面的法律視点で、相続・遺言セミナー、執筆活動なども多数行っている。 [著書]「自分でできる家賃滞納対策 自主管理型一般家主の賃貸経営バイブル」(中央経済社)。 [担当]契約書作成 森田雅也は個人間直接売買において契約書の作成を行います。

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