家賃は「相場」「競合」「検索条件」を意識して上手に設定!(3/3ページ)
ウチコミ!タイムズ編集部
2019/11/18
賃料はキリよくが、やっぱり答え?
さて、そこでひとつの答えです。お伝えしてきた中で、すでにお気づきになった方もいらっしゃるかもしれません。結局のところ、賃料本体を意識するにしても、総額にしても、5千円単位のキリのよい賃料はやはり有利と考えられるのです。
現在、上記2大ポータルサイトでの賃料範囲の指定は、繰り返しますが5千円単位となっています。(ただし前述したとおりLIFULL HOME’Sでは10万円以上は1万円単位となります。SUUMOだと20万円からがそうなります)
すると、たとえば7.0万円の物件は、「6.0万~7.0万」を指定しての検索と、「7.0万~8.0万」の検索、いずれの範囲にも入ることになります。6.8万円や7.2万円ではこうはならないのです。
なお、5千円単位での指定という縛りは、賃料本体で検索する場合も、賃料プラス共益費の総額で検索する場合も同様です。同じメニューから選びます。
すなわち、
・賃料(本体)がキリよく〇万円か、〇万5千円
・賃料(総額)がキリよく〇万円か、〇万5千円
の物件は、ユーザーの目に触れるチャンスがより広がりやすいと想像できます。実際に、ある駅でシミュレーションしてみましょう。(SUUMOを使用)
・種別はマンション
・駅徒歩10分以内
・30㎡以上
・築10年以内
以上の物件を「賃料(共益費込みの総額)7.0万~8.0万」で検索してみます。すると、出てきた物件は8件です。このうち2件が、賃料本体と共益費を合わせてちょうど7万円です。
次に、条件を「賃料(同)6.0万~7.0万」に変えてみます。1万円分下げてみたわけです。すると、物件数は一気に2件に減りました。さきほどの「ちょうど7万円」の2件だけが生き残っているわけです。
反面、6万円台の物件が飛び込んでくることはありませんでした。こちらの駅で上記の条件だと、6万円台はなかなか難しいようですね。とはいえ、「ちょうど7万円」の2物件は、この条件でもちゃんと拾ってもらえたわけです。
一方、先に出てきた8件の中には、賃料(総額)7.1万円という惜しい物件もありましたが、それはもちろん消えてなくなっているという次第です。(なお、当記事は、2019年10月初旬時点での「SUUMO」「LIFULL HOME’S」の仕様をもとにしたものです)
(文/朝倉継道 画像/123RF)
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