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実は…

入居者さんは「コストは上乗せじゃなく、家賃にコミにして!」と思っている?(3/4ページ)

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一方、駐輪場やWiFiへの出費は、それを利用している間はつねに負担が続くものです。すなわちランニングコストです。

いずれにしても、回答者は、家賃以外にかかる生活上のコストを嫌っているのです。賃貸契約のついでにこれらがオーナーに肩代わりされるかたちになっていれば、「それはとてもハッピー」と、感じているのだということです。

さらには、そのハッピーへの対価として、彼らは、「家賃が上がるかたちで月々1万円を払ってもよい」と表明しています。

もちろん、軽い気持ちでの回答だったのだろうとは思いますが、それにしても1万円という数字は大胆ですね!

それだけ払うならば、WiFiは自分で契約したほうがずっと得ですし、家具や家電も、ある程度高額なものが提供されるのでなければ、さほど時をまたずして支払いが原価を超えてしまう場合がほとんどでしょう。

それでも、彼らが上記のような意志を示してくれている点に、われわれはぜひ注目すべきでしょう。このことは、これからの賃貸経営にとって、とてもよいヒントとなっていくのかもしれません。

すなわち、こうした意志については、「コストがインクルーシブされたサービス」を彼らが求めているのだと解釈することができます。

コストがインクルーシブされたサービスとは、つまり「コミコミ」のかたちということです。

定額代金の中に多種類のサービスが含まれていて、それがわかりやすく1個の値段に収まっているかたちです。リゾートホテルなどによく見られます。さらには、サブスクリプション方式を求めるニーズにも近いといえるでしょう。

サブスクリプション方式とは、いわゆる定額課金・利用し放題型のサービスをいいます。「WiFi料金は別個に取らないでほしい。家賃に含めてもいいから」と、いうのは、まさにサブスクリプションとインクルーシブの融合です。

そこで考えると、現在の賃貸住宅においては、家賃以外のコストの上乗せが実に多様化しています。

昔から存在する礼金、敷金、管理・共益費のほか、保険料、保証料(家賃債務)、駆けつけサービス加入料、鍵交換代、除菌クリーニング費用等々…、足し合わせていくと、驚くほどの額になっていることも少なくありません。

しかもこれらは、消費者である入居者さんにとって、おそらくはストレス以外の何ものでもないはずです。

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この記事を書いた人

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