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新型コロナウイルスで注目度アップ ! タブレットを水に溶かすだけ「次亜塩素酸水」の使い勝手(2/3ページ)

小川 純小川 純

2020/05/22

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人の手などの除菌に使われる次亜塩素酸水はこの「微酸性次亜塩素酸水」になる。微弱性次亜塩素酸水の成分は99%以上が水で、見た目は無色透明。消毒のために手付けると、水泳のプールなどで感じる消毒剤の臭いを若干感じるものの、その臭いはすぐに消えてしまう。当然のことながら、人体にはまったく影響はない。

しかし、その除菌力は、アルコールや次亜塩素酸ナトリウムでは除菌できないボツリヌス菌などの芽胞菌に対しても有効なうえ、新型コロナウイルスのような表面が膜状の構造になっている「エンベロープ(ウイルス)」にも高い除菌効果を持つ。安全性という面でも、微酸性次亜塩素酸水は2002年に食品添加物として指定されている。実際、この微酸性次亜塩素酸水は、食品工場や、身近なところでは歯科での治療の合間に行う、うがいの水に使われている。

さらに新型コロナウイルスに対しては、ミスト状にして、継続的に噴霧することで室内や空間を除菌する“ゾーンディフェンス”効果が高いことも実証されている。実際、新型コロナウイルスによる被害が顕著になりはじめたころに開催が予定されていたファッション系のイベントでは、会場内の天井にパイプめぐらせ、そこから次亜塩素酸(ナトリウム)のミストを噴霧。新型コロナウイルス対策が検討されたこともあったという。

タブレットになってぐっと身近に

こんな人体にも影響がなく、除菌力も高い微酸性次亜塩素酸水(以下次亜塩素酸水)だが、使い勝手という点ではマイナス部分もあった。

それは主に水溶液のかたちで販売されているため、長期保存できないということがネックになっていたのだ。こうしたこともあってか、利用先は食品工場など業務用がほとんどで一般消費者にとっては馴染みがあまりなかった。

しかし、2018年11月に水に溶かすだけで簡単に次亜塩素酸水ができる『ジアグリーン・タブレット』が発売されて、身近な存在になってきた。

その仕組みは、「トリクロロイソシアヌル酸」という成分を加水分解し、微酸性の次亜塩素酸水を生成できるタブレット化にすることができるようになったという。

「タブレット化したことで長期保存が可能で、運搬コストも低く抑えられるようになりました。これまで次亜塩素酸は、一部に粉末のものがありますが、ほとんどが水溶液で、粉末状態のものも含め、製造後、流通過程におかれた瞬間から、時間の経過と共に劣化が進んでしまいます。一方、ジアグリーン・タブレットは、密封包装で販売しているので、未開封状態であればおよそ2年間の長期保存ができ、性状変化がありません。ただ、いったん水に溶かした次亜塩素酸水は、30日以内にご使用いただきますよう推奨しています」

こう話すのは『ジアグリーン・タブレット』の販売代理店で広報を担当しているクリードの霜田敬洋さんだ。『ジアグリーン・タブレット』の流通にあたっては、密封包装についても試行錯誤を重ねたという。

「塩素系の成分ということもあって、包装部分を腐食させたり、空気に触れることで化学反応が起こりガスを発生させて包装そのものが膨張するなど、安定したかたちで流通させることが大きな課題でした。そこで包装の素材選びから化学反応を起こらないようにする構造を一から考え、この包装自体も特許も取っているのです」と話す霜田さん。

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この記事を書いた人

編集者・ライター

週刊、月刊誌の編集記者、出版社勤務を経てフリーランスに。経済・事件・ビジネス、またファイナンシャルプランナーの知識を生かし、年金や保険など幅広いジャンルで編集ライターとして雑誌などでの執筆活動、出版プロデュースなどを行っている。

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