40代でのマンション購入は遅い!? 40代で家を買うメリット・デメリットは?(5/6ページ)
牧野寿和
2017/08/15
40代でマンションを購入するならここに注意
このように見てきますと、40代でマンションを購入するのは決して遅くはありませんし、無理なことではありません。
ただし、注意しておくべきことが大きく3つあります。
(1)返済期間が短いので頭金の準備が大切
前述した通り、40代でのマンション購入のデメリットは、何と言っても返済期間が短いことです。その分、利息の負担は減りますが、毎月の返済額が大きくなってしまいます。
とはいえ、返済期間を長くすることは、老後のリスクにつながりますので、十分な頭金を用意できるよう、できるだけ早いタイミングで貯蓄を始めるようにしてください。
(2)中古マンションを購入する場合は、建て替え時期に注意
マンションの場合、築後40年から50年前後で建替えの問題が起きます。マンションの寿命は約50年と言われています。
マンションの建替えでは、多額の建て替え資金をどうするか、所有者に重い負担がのしかかる可能性が高いと言えます。もし、建て替え費用が負担できない場合、再び、終の棲家を探さなければならない事態にもなりかねません。
高齢になると、入居できる賃貸住宅も少なくなるため、これは切実な問題となってしまいます。
40代での購入の場合、新築マンションであれば、存命中に建て替え問題と直面する可能性は低くなりますが、中古マンションを購入する場合には、築年数と建て替え時期に注意するようにしてください。
(3)退職金をあてにしたローンは組まない
退職金を住宅ローンの返済にあてることを考えている人もいますが、それは避けるべきでしょう。退職金は老後の生活資金であり、リタイア後にも収入があることが確実な人を除いて、退職金をローンの返済に使うことはおすすめできません。
退職金で住宅ローンを一括返済した人のなかには、70歳後半や80歳代になると生活費が不足し、老後破綻に陥ってしまう人が少なくありません。
住宅ローンは現役中に完済できるよう資金計画を立てることが大切です。
この記事を書いた人
CFP、一級ファイナンシャル・プランニング技能士
1958年名古屋生まれ、大学卒業後、約20年間旅行会社に勤務。出張先のロサンゼルスでファイナンシャルプランナー(FP)に出会い、その業務に感銘を受け、自らもFP事務所を開業。 その後12年間。どの組織にも属さない「独立系」FPとして、誰でも必要なお金のことを気軽に考えてもらうため「人生を旅に例え、お金とも気楽に付き合う」を信念に、日本で唯一の「人生の添乗員(R)」と名乗り、個別相談業務を行なうとともにセミナー講師として活動している。 また、賃貸不動産の経営もしており、不動産経営や投資の相談にも数多くのアドバイスやプランニングをしている。