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中古住宅選びは営業マンとの出会いが9割

直直取引に要注意! 営業マンのおすすめ中古住宅が信用できるか、たった一言で見抜く方法(3/4ページ)

菅 正秀菅 正秀

2017/02/14

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中古住宅探しは、営業マンとの「協働」作業

これは私が現役の営業マンだった頃から肝に銘じていたことであり、部下や後輩にも指導してきたことなのですが、中古住宅探しは、営業マンとお客さまとの「協働」作業です。

営業マンは、お客さまと理想の物件との「良い出会い」を演出するために、担当する物件や地域の情報に精通すべく、日々アンテナを張り巡らしています。

たとえば、担当地域の物件の成約情報だけでなく、新しい物件の売り出し情報、学校区、生活インフラ、またどこの銀行が現在住宅ローンの貸し出しに積極的なのかといったことなど、お客さまに役立ちそうな情報は何でもです。

そして、いざお客さまからお問合せがあったときには、その蓄積を活用した「勘ピューター」と住宅市場のデータが入っている「コンピューター」を駆使して、お客さまに物件をご提案していくことになります。

ですから、お客さまの側でも営業マンにはたくさんのヒントを与えたほうが、より精度高く物件を紹介してもらうことができます。

あなたが疑問に思ったこと、不安に思っていること、欲しい物件の詳細等なんでも投げかけてみましょう。たとえば、購入手続きのこと、ローンの組み方、物件の環境のこと、近隣のこと…、どんなことでもいいのです。

そうすれば、心ある営業マンなら、知っていることはすぐに答えてくれますし、仮に知らないことであっても、すぐに調べて答えてくれるはずです。

これが、営業マンと「協働」で住宅を探すということです。

あなたが司令塔で営業担当者が実務担当「相棒」というイメージですね。

「直直取引」にはご用心

ただし、不動産仲介業界には、この協働作業を阻むものがあります。

それは、業界で言う「直直(ちょくちょく)取引」です。

不動産仲介業のルールブックである宅地建物取引業法では、不動産会社がひとつの取引で売り主さん、買い主さんの両方から仲介手数料をいただくことを禁じていません。

そのため、自社が直接売り主さんから売却のご依頼をいただいた物件(直物件)を、買い主さんに紹介して購入していただければ、売り主さんと買い主さんの両方から仲介手数料をいただくことができます。つまり、他社が売り主さんから売却依頼を受けている物件を買主さんに購入していただくより、2倍の売上があがることになります。

ですから、不動産会社としては、売主さん買主さん両方から手数料がいただける「直直取引」を優先したくなります。そこで、お客さまにぴったりの物件より「売りたい物件」を優先する場合が出てくるということが起こります(売上目標が厳しい大きな会社ほどこの傾向が強いです)。

もちろん、直直取引であっても、買い主であるあなたがお探しの物件、つまりあなたの希望に合う物件であれば問題ありませんが、ほかに良い物件があるにもかかわらず、不動産会社が「売りたい物件」を優先されてしまったとしたら、一生に何度もする買い物ではないだけに非常に残念なことですよね。

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この記事を書いた人

株式会社フェリーズディア 取締役チーフコンサルタント

宅地建物取引士、マンション管理士、住宅ローンアドバイザー、福祉住環境コーディネーター。 1958年、大阪府大阪市生まれ。創価大学法学部卒業。大学卒業後、弁護士事務所に勤務、宅地建物取引士資格取得を契機に大手不動産会社に転じる。法律知識を活用し中古住宅、中古マンションの仲介営業を担当。 その後、顧客と一緒にモノづくりをするために、地域中小建設会社に移り、注文住宅・賃貸マンションの受注営業を担当。大手建設会社との競合が激しい中、操業以後に流入してきた近隣住民のクレームにお悩みの経営者さんに、不動産会社時代の人脈を使い工場の移転先を斡旋した上で、その跡地に93戸の賃貸マンション建設の受注をするなど、15年間で約32億円の受注する実績をあげる。現在は、建築にも明るい不動産コンサルタントとして、不動産会社のエスクロウ業務(契約管理)・新人社員指導等を行なっている。 一生に一度の買い物ともいえる住宅の購入をアシストできる人材を育成し、業界の健全な発展に貢献すべく活動中。

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