直直取引に要注意! 営業マンのおすすめ中古住宅が信用できるか、たった一言で見抜く方法(2/4ページ)
菅 正秀
2017/02/14
不動産仲介の営業マンにとって腕の見せどころとは?
実は、私が現役の営業マンだった頃、上司から、
「一本釣りで契約するくせに、仕事をしたような顔をするな!」
と叱られたことがあります。
『一本釣り』とは不動産業界の言葉で、不動産会社が出した物件広告(新聞折込やポスティング)を見たお客様が問合せをくださり、物件を見学されて、そのまま購入に至るケースのことを言います。
一本釣りの場合、営業マンは、お客様のニーズをヒアリングしたり、コンサルティングしたりすることもなく、また物件を市場から見つけ出す努力もせずに、たまたまお客さまのお問合せに出会っただけで営業成績が上がるというわけです。
仲介営業マンの腕の見せどころは、やはり、市場のなかからどれだけお客さまに喜んでいただける物件を見つけ出すことができるかです。
そのため、優れた営業マンは、お客さまとの対話のなかから、お客さま自身も気づいていないニーズまでをも引き出そうと必死に耳を傾け、中古住宅市場からお客さまが気に入りそうな物件をピックアップします。そして、物件を見学に行ったときのお客さまの反応から、本当にそのお客さまにマッチする物件かどうかを見きわめようとします。
こうした一連の取り組みのなかから、お客さまにとって最良の物件を提示し、購入していただくのです。
ですから、本来、不動産仲介の営業マンにとっては、
「そうそう、こういう物件を探していたんだよ。ありがとう」
と、お客さまに言っていただくのが何よりの喜びになるものなのです。
この記事を書いた人
株式会社フェリーズディア 取締役チーフコンサルタント
宅地建物取引士、マンション管理士、住宅ローンアドバイザー、福祉住環境コーディネーター。 1958年、大阪府大阪市生まれ。創価大学法学部卒業。大学卒業後、弁護士事務所に勤務、宅地建物取引士資格取得を契機に大手不動産会社に転じる。法律知識を活用し中古住宅、中古マンションの仲介営業を担当。 その後、顧客と一緒にモノづくりをするために、地域中小建設会社に移り、注文住宅・賃貸マンションの受注営業を担当。大手建設会社との競合が激しい中、操業以後に流入してきた近隣住民のクレームにお悩みの経営者さんに、不動産会社時代の人脈を使い工場の移転先を斡旋した上で、その跡地に93戸の賃貸マンション建設の受注をするなど、15年間で約32億円の受注する実績をあげる。現在は、建築にも明るい不動産コンサルタントとして、不動産会社のエスクロウ業務(契約管理)・新人社員指導等を行なっている。 一生に一度の買い物ともいえる住宅の購入をアシストできる人材を育成し、業界の健全な発展に貢献すべく活動中。