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家づくりの設計・見積もり時の注意点(8/11)

プロの業者も見落としがちな室外機、給湯器などの配置に注意(2/3ページ)

山田章人山田章人

2016/01/28

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家の強度・防音効果を高める工夫

次に、家の強度を高める方法を紹介します。

家を強くするためには、単に柱や梁を太くしたり多くしたりすればよいと思いがちですが、実はそうでもありません。確かに、細いよりは太いほうが丈夫ですし、少ないよりは多いほうが安定します。しかし、コストがかかる割には大きな効果は期待できません。

家の強度を高くするのにいちばん大切なのでは、柱や壁の「位置」です。各階の柱や壁の位置が一致する割合である「直下率」を高くすることで、家の強度も高まります。

一般的には、柱の直下率は50パーセント以上、壁の直下率は60パーセント以上が目安とされています。また、同じ階の壁を直線状にすることも効果があります。過去の震災被害を見てみると、壁が直線状になっていない建物のほうが大きな被害が出ているようです。

このように、複雑な形のデザインは強度が弱く、上下階とも同じ輪郭のほうが強度的には高くなります。また、壁・天井・床などに開けられた採光・通風のための開口部の形・大きさを見直すことで、家の強度を高めることもできます。

わかりやすい目安として、耐震等級を業者に聞いてみてください。建築基準法を守ることで1、その1.5倍の強度として最高3まで3段階になっています。当然等級が多いほうが施工費もかかります。予算とのバランスを考えて、施工業者と相談してみてください。できれば、設計前に決めておいたほうがよいでしょう。

そして防音については、壁を多重構造にしたりサッシを二重にしたりして効果を高めていきます。防音の問題をクリアせずに進めてしまうと、後々日常生活を苦痛に感じてしまう可能性のあるものなので、どのスペースにどのような音が伝わる可能性があるのかを考慮し、工法や素材を検討しましょう。

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この記事を書いた人

一級建築士

5人建築家コンペでの家づくり 家escort京都 代表。 省エネ住宅診断士。 一級建築士事務所にて、神社仏閣から商業建築、住宅まで幅広く設計監理業務に従事した後、独立。2005年より、それまでの経験から、いい建物づくりには住まい手と設計者、施工者の相性のよい結びつきが不可欠と考え、住生活エージェントに専念。 住まい手が、自ら相性の良い建築家と施工者を選び出すのは至難の業であるという考えのもと、住まい手目線を基準に最適な建築家と施工者を結びつける代理人を目指す。自らの立場を、販売代理店ではなく、購入代理店と位置づけている。住まい手にとって最適な住宅とは何かを考え、老後までを考えた資金計画、不動産業者とは違う目線での土地探し、まだ施主様すら気づいていない好みや個性を引き出し最適な空間を生み出す工夫など、家づくりの準備を充実させることによって、結果、生涯心地のよい住まいを手に入れていただくことをミッションとして活動している。

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