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「既存住宅の瑕疵担保保証」のニュースから

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今日、YAHOOニュースに出ていましたがちょっと心配です。本年の5月から一般向けに「既存住宅の瑕疵担保保証」保険がスタートするとのニュースが出ていました。

 

■瑕疵担保保証保険? って何?

 

~まず瑕疵とは何か? から説明しますと、簡単に言えば本来持っているべき性能をもっていない状態の事をいいます。今までは、新築住宅のみが対象の保険でした。既存住宅の場合、今までの検査システムや枠組みでは対応できない広範囲の診断や、検査が必要なためありませんでした。

 

旧来の瑕疵担保保証の内容は、瑕疵の修復をほぼ無料で行える事や、建設業者の倒産の際の工事費なども補償に入っていました。いわゆる高いお金で購入した住宅の欠陥などを補てんしてくれる保険というものです。

 

■今回の既存住宅の瑕疵担保保証は?

 

~中古住宅に対応した補償保険です。内容は、建物の構造部分・雨漏り・給排水管部分・シロアリ・住宅設備
などの検査及び補償となります。対応する会社は、3社で行うそうです。検査料・保証料はサービス期間などによって違います。

 

■の費用は誰が負担するの?

 

~そこが問題です!キチンとした法整備に基づいて、補助金制度などを盛り込んだ形でスタートしない状況を心配しています。この状況ですと、売主・買主どちらかの負担が間違いなく増えるにも係らず、ただの保険!?

 

■何がいけないの?

 

~買主さんにとっては、中古住宅とはいえ検査を受けて、保証もあって…。悪い事ではありませんね。ただ、売主さんの立場に立てば微妙な話になります。今まで自分たちが普通に生活して、何不自由なかったハズなのに検査の結果、シロアリは発見されるわ、建物の構造で悪い評価がでるわ、他にももろもろ…。なんて話になったら、売却金額にも間違いなく影響を及ぼします。その上、法整備などで「すべての中古住宅が対象!」というなら分かりますが、そこは民間主導の丸投げ状態!

 

更に、検査でいい結果が出たとしても住宅の本来の資産評価などとも連動していない…。と言う事は、住宅ローンの審査は今までのとおり!?はっきり言って、なんのメリットがあるのか不思議ですね。といいますか、この辺の話は誰にでも分かる話ではないか?

 

■すると、どうなるの?

 

~現状のままでは、費用が余分に発生するだけですから一向に進まない事が予測されますね。例えば、ある売主さんが中古の住宅を売りに出したとします。その物件に興味を抱いた買主さんが現れます。買主さんは、交渉として「瑕疵担保保証」を引渡し前に実行して費用負担の上、検査結果の提出を条件に出したとします。売主さんは、嫌なら断っちゃいますね。

 

それでも、買主さんがその物件を気に入っていたなら、買主自身が費用負担をしてでも行うかしかないですね。しかし、売主さんが現在所有している状態では、売主さんの承諾がなければ、当然ですが検査など出来ません。結果、売主さんが拒めば、買主さんはその物件が自分のものになってからしか検査も保険も掛けられません。しかも自費で。

 

■なんとかならないんですか?

 

~そこを何とかするのが、本来「国の仕事」のハズです。上のやり取りを見てもらっても分かる通り、今スタートしようとしている「既存住宅の瑕疵担保保証」が、ちゃんとした枠組みになっていません。

 

■どうすれば、いいのでしょう?

 

~この様なシステムは、どの立場の方にも何らかのメリットと介添えと法律での姿勢が、絶対に必要です。今回の「既存住宅の瑕疵担保保証」は絶対に検査が必要な話です。なのに、法整備も無く補助金的な物も無く資産評価などの介添えも無く、オブラートを剥がしてみたら、誰かの負担が増えるだけ?の様にさえ見えてしまいます。

 

かなり辛辣に書いてしまいましたが、ここの所の経済活動にへんな影を落とすような事になっては、本末転倒です。この話は、今後新しい情報が出るたびお伝えしますね。

 

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