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これからの街づくりと待ったなしの“老朽化マンション”再生問題(1/6ページ)

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取材・文/浦邊 真理子 イメージ/©︎takanakai・123RF

前編(新たな住宅セーフティネット制度の驚くべき現状と子育て世帯への支援制度に続き「これからの街づくりと建物再生」についてお届けする。

令和時代の住宅政策の指針となる『住生活基本計画』

国土交通省から2021年3月に発表された、『住生活基本計画』。令和3年度~令和12年度の10年間に及ぶ我が国の住宅政策の方向性を示す大変重要な指針だ。

住生活を巡る現状と課題に対応するため、3つの視点から8つの目標が設定されている。


出典/国土交通省「新たな住生活基本計画の概要」を基に作成

“いま”の住生活を巡る現状と課題が明確になるこの計画だが、そのなかでもコロナによる賃貸業界の変化や空き家問題は、賃貸住宅オーナーにとっても注目に値する話題である。

こんな話題もあった。コロナ禍により、働き方が変わったことで家賃が高く狭い都市部に住む必要がなくなり地方移住が増えるのではないかと。実際はどうなのだろうか。

東京圏の転入超過数の推移(2014年度~2020年度)


出典/総務省統計局「東京都の転入超過数(2014〜2020)」を基に作成


東京都からの転出者数の前年度差(道府県、2020年度)

 
出典/総務省統計局「新型コロナウイルス感染症の流行と2020年度の国内移動者数の状況」を基に作成

東京都の転入超過数が大きく縮小し、東京都からの転出者数は近隣の県を中心に増加していることがデータに表れているが、国土交通省国土技術政策総合研究所 建築研究部長・長谷川洋 (はせがわひろし)氏は、「実際にコロナの影響で大きく移住が行われているかどうかについては、さまざまな調査結果やデータも示されつつありますが、きちんと分析する必要があると思っています」と慎重だ。

東京一極集中の流れが今後どうなるかは、さらなるDXの加速と働き方に対する多様性の容認、そして人々の意識が重要となる。住生活基本計画には、ほかにも前編で触れたセーフティネット登録住宅の活用を推進していくことや、空き家の多様な利活用の推進なども含まれている。

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