土地は有利な資産か? 土地白書「土地問題に関する国民の意識調査」に見る2019~2020年にかけての異変(3/3ページ)
朝倉 継道
2021/07/02
何かが動き出した? この2年
以上、まとめるとこうなる。
国交省の「土地問題に関する国民の意識調査」に表れているデータの推移から見られる状況に限っていえば、この19年、20年というのは、おそらく、何かが動いた時期とみていい。
この間、われわれ日本人の土地に対する意識においては、
・その価値の持続性に関する迷いや困惑、もしくは不信
・所有価値から利用価値への明確な意識のスライド
これらが急激に表れたようにも感じられるし、あるいは、そうした新たなフェーズの始まりが示された可能性も感じられる。
加えて、こうした動きについては、新型コロナが途中から拍車をかけたようにも思われるし、あるいはコロナがなくとも結局のところ、同様の傾向が浮かび上がっていたようにも思われる。
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この記事を書いた人
コミュニティみらい研究所 代表
小樽商業高校卒。国土交通省(旧運輸省)を経て、株式会社リクルート住宅情報事業部(現SUUMO)へ。在社中より執筆活動を開始。独立後、リクルート住宅総合研究所客員研究員など。2017年まで自ら宅建業も経営。戦前築のアパートの住み込み管理人の息子として育った。「賃貸住宅に暮らす人の幸せを増やすことは、国全体の幸福につながる」と信じている。令和改元を期に、憧れの街だった埼玉県川越市に転居。