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コロナの寒風が吹く令和3年「公示地価」 大阪・ミナミに大幅下落地点が集中(2/2ページ)

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上昇エリアも 北海道「倶知安」「北広島」 長野県「白馬」

さて、以上に挙げた以外にも、コロナの影響による下落の話題には事欠かない今回の公示地価であるが、逆に、地価が上昇しているところもある。公表されている資料のひとつ、「変動率上位順位表(全国)」で、いくつか例を見てみよう。

まず、住宅地だ。順位表TOP10のうち1位と5位、10位に、北海道の「倶知安」(ニセコ地区の一部)の名前が見えている。また、7位には長野県の「白馬」の名前も見えている。これらは、最近までインバウンドに支えられてきたスキーリゾートである。

そのため、コロナ以降、客足は大きく減っているが、大阪などでの状況と違い、こちらでは、コロナ収束後を見据えた長期目線での投資が動いているようだ。それらにより、地価が下支えされていると見られる。

また、同じく住宅地の2~4位および6位を占める北海道北広島市の各地点では、野球場を中心としたボールパークの開発により、地価が押し上げられている。

商業地である。ここでも1位に倶知安の名前が見えるが、それに続く2位から8位まで、ずらりと福岡市内の各地点が並ぶ(さらに10位にも)。前記した、地方4市における地価の上昇維持を再開発の槌音ひびく福岡が、先頭に立って引っ張っているかたちだ。

工業地は沖縄県豊見城市字豊崎3-62が、上昇率全国1位となっている。背景にあるのは物流施設需要だ。

ちなみに、工業地は、全国平均でもプラス0.8%と上昇を維持している。住宅地・商業地との違いを見せているが、そのキーワードが「物流」だ。コロナ禍が、いわゆる巣ごもり消費を促したことで、ネット通販なども拡大、それが施設需要におよんで地価の上昇を支えている様子が見られる。

以上、先般公表された公示地価から、いくつかトピックを挙げた。

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