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今日もどこかの街で美食探訪 ねこやま大吉のグルメ狩人

東京都(台東区) 文明開化から続く老舗 浅草『すき焼 ちんや』で食する絶品肉(2/2ページ)

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2021/06/22

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一枚の鍋の上で繰り広げられる肉と野菜、割下のランデブー。適サシ肉は火が通っても柔らかい。ぱくりと口に運べば溶けるように喉奥に吸い込まれていく。関西のすき焼きは具材の熱を冷ますために卵を使うと聞いたことがあるが、いやいや卵に失礼である。肉を優しく包み込み味を調えてくれるのだ。

最初の適サシ肉を食べた後は「ざく」の出番である。ざくとは葱をざくざくと包丁で切って、ほかの野菜・具材と一緒に盛ってあるからである。鍋に行儀よく整列したら火を強める。

肉の旨味が残る割下に、2度目の適サシ肉と一緒に煮込む。最初のそれとは違い、今度は野菜の旨味が足される。肉の柔らかさ、葱・椎茸の程よい硬さ、豆腐の舌触り、白滝の滑らかさがこの一枚の鍋の上で繰り広げられる。至福の時だ。

江戸の食文化を確実に継承している「すき焼き」。

本当であれば一杯傾けながらすき焼きを愉しみたいところだが、今は、江戸っ子も黙る「令和の禁酒令」。なんとももったいない話である。いつか解禁になったらもう一度ここで食したいものである。そしてまた活気のある「浅草」を取り戻さなくてはいけないと思いながら、店を後にする。

今回お邪魔したおいしいお店:『すき焼 ちんや』
※下記住所に移転・再開
再開日:2022年3月18日(金)
移転先:東京都台東区花川戸2丁目16-1

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この記事を書いた人

編集者・ライター

長年出版業界に従事し、グルメからファッション、ペットまで幅広いジャンルの雑誌を手掛ける。全国地域活性事業の一環でご当地グルメを発掘中。趣味は街ネタ散歩とご当地食べ歩き。現在、猫の快適部屋を目指し日々こつこつ猫部屋を制作。mono MAGAZINE webにてキッチン家電取材中。https://www.monomagazine.com/author/w-31nekoyama/

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