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今日もどこかの街で美食探訪 ねこやま大吉のグルメ狩人

高知県(高知市) 四国遍路で出合った土佐の旨原石『明神丸』――職人が炭火と藁で焼き上げる土佐鰹を堪能(3/3ページ)

ねこやま大吉ねこやま大吉

2021/05/07

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店先の焼き場で職人が燃焼温度約千度と戦う一品。藁の火力は非常に強く、瞬時に鰹の表面をムラなく焼き上げる。藁が燃えるときに発生する煙や香りは、より一層風味を、素材の旨さを引きだしている。外側はカリっと香ばしく、中は生。太平洋の海で作った天日の塩とよく合う。切幅5ミリはあろう、この肉厚の切り身。箸をとめることなく頬張ってしまう。前述の握りとは違い、一切れ一切れ鰹の旨味が堪能できる。鰹の認識が変わるのは間違いない。人によって味覚は違うものだが、小生は鮪を食べているような感覚に襲われた。高知県民がこんな美味しい鰹をいつでも食べられると思うと羨ましい限りである。太平洋に面した土佐の国、高知県だからこそ味わえる逸品だ。

完食し、スタッフの方に、「お皿は洗う必要はないね」と笑顔で言われ、お茶を入れてもらいながら「坂本龍馬をはじめ、土佐輩出の偉人たちも鰹を食べていたのだろうか?」と再び想いを巡らす。

阿波の国から阿南海岸を南下し土佐の国へ。何百年と変わらぬ歴史を垣間見た気がした。

そろそろ高知駅から岡山行きの特急の時間になる。次の取材先に移動だ。

※帰京し文献が無い中、坂本龍馬の好物は何だったかをみれば、酒豪で故郷の味「鯖」だったのでないかと。刺身に柑橘をかけて食べるのが好きだったと言われている……やはり青魚だったか。

今回、取材途中室戸岬に立ち寄った。偉人達もこの海を見ながら志したに違いない。

今回お邪魔したおいしいお店:『明神丸 帯屋町店』
住所:高知県高知市帯屋町2-1-27
交通:土電『大橋通り』電停から徒歩5分

【ねこやま大吉のグルメ狩人】
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この記事を書いた人

編集者・ライター

長年出版業界に従事し、グルメからファッション、ペットまで幅広いジャンルの雑誌を手掛ける。全国地域活性事業の一環でご当地グルメを発掘中。趣味は街ネタ散歩とご当地食べ歩き。現在、猫の快適部屋を目指し日々こつこつ猫部屋を制作。mono MAGAZINE webにてキッチン家電取材中。https://www.monomagazine.com/author/w-31nekoyama/

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