ウチコミ!タイムズ

賃貸経営・不動産・住まいのWEBマガジン

頭金なしで家を買う人が増えている!?

住宅ローンをフルローンで組むのは危険? そのメリット・デメリットは?(2/5ページ)

斎藤 岳志斎藤 岳志

2017/06/27

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE
  • Hatebu

諸費用も含めてローンでまかなえる時代に

住宅を購入する際には、通常、仲介手数料や登記費用といった諸費用がかかります。諸費用の目安は、だいたい物件価格の7~10%と言われており、本来、この諸費用は自己資金で用意する必要があるとされていました。

ですが、最近では、この諸費用まで含めて住宅ローンとして借りられるケースも増えています。つまり、自分のお財布からお金を出さなくてもマイホームが手に入ってしまうケースも出てきているのです。

ここで、3000万円の住宅を購入する場合、2割の頭金に加えて、10%の諸費用を現金で用意する場合を考えてみましょう。

その場合、頭金として600万円、さらない諸費用として300万円の合計900万円を用意しないと購入に踏み切れません。

ですが、フルローンで借入れをすれば、諸費用の300万円を準備するだけでマイホームの購入に踏み切れます。また、諸費用分も含めたローンを組むことができれば、手元の現金を減らすことなくマイホームを購入することができる時代になったと言えるでしょう。

 

フルローンで家を買うのは危険?


© sunabesyou – Fotolia

頭金を入れずに、100%のローンを組んでマイホームを購入するのは危ないのではないかと感じる方もいらっしゃることでしょう。購入する物件の価格にもよりますが、頭金を入れない分だけ借入れの金額が増えることになり、借金の額が大きくなるからです。

これを「危ない」と思う感覚は間違っておらず、正常な感覚であると、私自身も思います。

さきほどの例で言えば、頭金2割を自己資金で用意できれば、2400万円(3000万円−600万円)を借りることになりますが、フルローンの場合は3000万円の借金を抱えることになるわけです。

「返していけるのだろうか…」と、返済が不安になるのも当然でしょう。

ならば、フルローンでマイホームを買うのは危ないから止めるべきなのでしようか?

ファイナンシャル・プランナーとしての私の考え方を申し上げるなら、決してそんなことはありません。

無理なく返済を続けていけるのなら、フルローンはマイホームを購入するまでの時間を短縮できるという有効な方法になり得るでしょう。

(関連記事)
リストラで住宅ローン返済ができなくなったらどうする? これだけは知っておくべき4つの対策

次ページ ▶︎ | 3000万円の物件をフルローンで買った場合の返済額は?

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE
  • Hatebu

この記事を書いた人

ファイナンシャル・プランナー(CFP)

FPオフィス ケセラセラ横浜代表 百貨店在職中にファイナンシャル・プランナーの資格を取得。税理士事務所、経営コンサルティング会社などを経て、FPオフィス ケセラセラ横浜を開設、代表を務める。 マイホーム購入・売却相談のほか、不動産投資のサポートも行なっている。株式投資やFXなど一通りの投資を実践した後、2007年より不動産投資をスタート。現在は、自らの資産運用はほとんど中古マンション投資に絞って取り組んでいる。

ページのトップへ

ウチコミ!