【インタビュー】「父も母も大好きな息子がどちらかと会えなくなるなんて考えられない」(2/3ページ)
しばはし聡子
2019/08/06
■この共同養育のスタイルで困ったことはありますか。
高校生の頃など部活で早朝に家を出るにもかかわらず、その前に荷物を元夫の家に取りに行ったりすることもあり、そういう時は大変でしたね。あとは、息子に逃げ場を作っていることでしょうか。私との間にイヤなことがあると「別にいいよ、あっちに行くから」と向き合うことをせず元夫の家に行ってしまいます。でも、それがあるから私も助かっている部分はあったでしょうね。
■共同養育はどんなメリットがありますか。お子さんはもちろんご自身にとっても良いことがあれば教えてください。
息子にとっては父親、母親のふたりと過ごすとことによって双方の立場を理解し、どちらとも仲良くやっていけることがとてもいいと思います。私も一人で子育てをしていたら「何で別れたんだよ」という息子のワダカマリに向き合うことは辛かったと思いますね。私から離れる時間があることでそういう気持ちを緩和できたのかなあと。
あとは息子の口から「父さん最近ギター始めたよ。おれも頑張る」などと父と子の世界に触れることで私の知らない息子を発見できるのがうれしいですね。もちろん私自身が一人になる時間や空間を持てることも大きなメリットです。
■お相手がどんなことをしてくれたらうれしいですか。
養育費や教育に関する必要なお金をこちらからお願いしなくても出してくれるとうれしいですね。あと私は旅が好きなので「この期間、息子をお願いできる」と頼んだ時に快く引き受けてくれるとうれしいです。
■お相手とのかかわりで気にかけていることはありますか。
やはり感謝の思いを忘れないということですかね。元夫は親としてしっかり息子に向き合ってくれ、必要なことを提供してくれていますしね。
離婚から時を経て、共に歩むパートナーではないけれど遠くで応援してくれている人という風に感じています。息子の人生を一緒に協力し支えてくれている、そういったところには本当に感謝しています。
直接会うことはほとんどないですが必要があれば連絡を取り合いますし、夫婦じゃない今の方がいい関係と言えるかもしれません。それは相手に求めないからかもしれませんね。
この記事を書いた人
一般社団法人りむすび 共同養育コンサルタント
1974年生まれ。慶應義塾大学法学部卒。自身の子連れ離婚経験を生かし当事者支援として「一般社団法人りむすび」を設立。「離婚しても親はふたり」共同養育普及に向けて離婚相談・面会交流支援やコミュニティ運営および講演・執筆活動中。 *りむすび公式サイト:http://www.rimusubi.com/ *別居パパママ相互理解のオンラインサロン「りむすびコミュニティ」 http://www.rimusubi.com/community *著書「離婚の新常識! 別れてもふたりで子育て 知っておきたい共同養育のコツ」️