【経験談】面会交流に前向きになれるまで(後編)〜共同養育コンサルタントしばはし 聡子コラム〜(2/3ページ)
しばはし聡子
2018/07/31
■元夫からの「ありがとう」
面会交流支援が終了した直後、元夫に「息子を夕食に連れて行ってあげてください」とメールをしました。自発的に連絡をしたのは離婚してから初めてのことです。
するとすぐに元夫から「もちろん!ありがとう」と返事が。今まで元夫からのメールを無視したり、面会交流もいい加減に行っていた私に対して、なにも責めることなく最初の言葉が「ありがとう」だったことに涙が止まらなくなり、それ以来、驚くほど急速に関係がよくなり、面会交流もスムーズに進むようになったのです。
◆元夫の親族とも交流が復活
元夫との関係が悪かった時は、義父母に子どもを会わせることにも後ろ向きでしたが、関係が良好になると、子どもを愛してくれる人はたくさんいたほうがいいと思えるようになり、元夫が息子を連れて実家へ行くことも嬉しく思えるようになりました。
宿泊で連れて行くため、その間に私も羽を伸ばすことができ、育児の分担をできたほうが楽だと思えるきっかけにもなりました。
■子どもの著しい変化
当時小学校5年生だった息子は、私の顔色を伺ってか、家で父親の話を一切することがありませんでした。「会いたい?」と聞いても「会いたくない」と答えることも。そして、その言葉を私は鵜呑みにしていました。今思えば、その言葉にホッとしていた自分もいました。
ところが、面会交流に私が前向きになってからは、父親の話を笑顔でするようになったり、学校で「僕は父親を尊敬しています」と発表したと報告をするようになったり。今まで子どもにいかに気を遣わせてきていたのかは、子どもの変化で思い知ることになり、もっと早く面会交流に前向きになっておけばよかったと後悔することにもなりました。
◆父親と過ごすことのメリット
子どもは父親と過ごす時間が増えることでなにより愛情確認ができます。離婚をしても変わらず愛されているという安心感ははかりしれないことでしょう。子どもの笑顔を見れば明らかです。また、母親では体力に限界のある外遊びをはじめ、社会に出てからの生き抜く術など父親だからこそ伝えられることも多いようで、面会交流から帰ってくる息子の姿は常に生き生きしています。
子どもが楽しいと思えるためには父親の努力も必須ですね。
この記事を書いた人
一般社団法人りむすび 共同養育コンサルタント
1974年生まれ。慶應義塾大学法学部卒。自身の子連れ離婚経験を生かし当事者支援として「一般社団法人りむすび」を設立。「離婚しても親はふたり」共同養育普及に向けて離婚相談・面会交流支援やコミュニティ運営および講演・執筆活動中。 *りむすび公式サイト:http://www.rimusubi.com/ *別居パパママ相互理解のオンラインサロン「りむすびコミュニティ」 http://www.rimusubi.com/community *著書「離婚の新常識! 別れてもふたりで子育て 知っておきたい共同養育のコツ」️