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「週末、田舎に行く時間なんてない!」という人へ

週末田舎暮らしを楽しむ時間をつくる仕事のルール・暮らしのルール(3/5ページ)

馬場未織馬場未織

2017/10/12

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<仕事のルール2>深夜をあてにしない

以前は、深夜まで仕事をしていることがしばしばありました。子どもが寝た後は自分に許された自由時間。そこで終わりきらない仕事にゆっくり向き合うのです。

ただ、その循環はあまりよくないと、40歳を過ぎて気づきました。「夜があるから」と後ろの時間に甘えると、日中のテンポが失われますし、睡眠不足で翌日のパフォーマンスが確実に下がる。徹夜なんかした日には、通常のレベルに戻るまで3日くらいかかります。これも歳のせい? 笑。

わが家では、23時ルールをつくりました。23時を過ぎたら、子どもは寝て(もしくは寝室へ)、親はプライベートタイムとして、それ以降、仕事は基本的にはしないというルールです。

子どもへ示しがつかないと困るので、一生懸命守るようにしていたところ、仕事時間は短縮されましたが、こなす仕事の量は減らない、というミラクルが起きました。睡眠時間を確保したこともあり、仕事中にぼやっとすることが減ったのです。ランチ後の睡魔以外は、です。

「休むぞ!」を守るのは、「仕事するぞ!」よりも、時としてむずかしい場合があります。休んで何がしたいのかが明確なときにこそ、できることなのかもしれません。

<仕事のルール3>ミーティングはバーチャルを駆使する

「とりあえず打ち合せ」という状態を、極力減らしています。

実は、人と会って打合せをするのは嫌いではありません。相手と細やかな意思疎通が図れたり、文書のやりとりでは詰め切れないことがぱっぱと決められたり、何よりその時間を通じてお互いの士気が高まるという効果もあります。

一方で、打合せに「出向く」には膨大な時間を要します。たとえ都内でも、1時間のミーティングに往復合わせて3時間使うことになったり。そのせいで他の仕事が圧迫されるのは避けなければなりません。

そんなわけで、SkypeやAppear.inを使ってバーチャルミーティングですませられるものはすませるようにしています。わたしの場合は遠方にいる人たちとの打合せもよくありますから、必然的に日常化しました。むしろ、このほうが頻繁に打合せができるんですね。

もう誰もが使っているツールですから「いまさら」と思うかもしれません。ですが、実際にはまだまだ、「会って話す打ち合せ」のほうが圧倒的に多いんですよね。それが誠意の証、という文脈もあるんだと思います。ただ、できれば、普通に選べる選択肢としてバーチャル会議があってほしいです(ちなみに、役所とのやりとりでは、なかなかこれが導入できません)。

そして、相手とリアルで会って話す貴重な時間は、なるべく事務的な話ではなく、互いの温度を感じながら建設的で前向きな大きな話がしたい。そんな風に、打合せの質を使い分けています。

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この記事を書いた人

NPO法人南房総リパブリック理事長

1973年、東京都生まれ。1996年、日本女子大学卒業、1998年、同大学大学院修了後、千葉学建築計画事務所勤務を経て建築ライターへ。2014年、株式会社ウィードシード設立。 プライベートでは2007年より家族5人とネコ2匹、その他その時に飼う生きものを連れて「平日は東京で暮らし、週末は千葉県南房総市の里山で暮らす」という二地域居住を実践。東京と南房総を通算約250往復以上する暮らしのなかで、里山での子育てや里山環境の保全・活用、都市農村交流などを考えるようになり、2011年に農家や建築家、教育関係者、造園家、ウェブデザイナー、市役所公務員らと共に任意団体「南房総リパブリック」を設立し、2012年に法人化。現在はNPO法人南房総リパブリック理事長を務める。 メンバーと共に、親と子が一緒になって里山で自然体験学習をする「里山学校」、里山環境でヒト・コト・モノをつなげる拠点「三芳つくるハウス」の運営、南房総市の空き家調査などを手掛ける。 著書に『週末は田舎暮らし ~ゼロからはじめた「二地域居住」奮闘記~』(ダイヤモンド社)、『建築女子が聞く 住まいの金融と税制』(共著・学芸出版社)など。

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