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いいことばかりの情報からリアルな暮らしを探る

理想の田舎暮らしが見つかる! 移住体験ツアー・イベントの賢い活用法(2/5ページ)

馬場未織馬場未織

2017/07/13

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田舎暮らしはいいことばかりではないけれど…

つまり、イベントとはそういうものだと十分に認識した上で、その機会を“自分なりに”利用するしかありません。

お客さまという立場に甘んじて、ぼんやり何となく与えられた情報を見聞きするのではなく、

「自分たちの暮らしにとって、その近さは本当にメリットなの? その程度のいい空き家は本当に魅力があるの?」

などと想像し、洞察する必要がある、ということです。

以下に、いくつか例を示します。

「こんなセールスポイントがありますよ!」という説明から、ぜひあなたなりの検討を導き出してください。

<ケース1>「東京から○キロ圏内」「東京駅から○分」などという近さアピール


(c) kuromame – Fotolia

特に二地域居住の場合、都心からの近さは大きなメリットです。

車で行くことがほとんどだという方も、公共交通機関でのアクセスはチェックしておくといいです。

「今週は車が使えないけど、どうしても行きたい!」とか、「急な仕事が入って直ちに帰りたいけど、恐ろしい渋滞があるから今回ばかりは電車で!」といったこともありますよね。

車だと1時間半の場所でも、公共交通機関での移動だと本数の少ない市営バスを使わないと駅まで行けない、といったこともあります。

また、距離的には近くても、都内の渋滞箇所を通らないと到達できない、1時間半で着くはずなのに週末は3時間かかるなど、居住地によって条件が異なってきます。

ちなみに、いま、わたしの家がある南房総市は、当初は検討範囲外でした。もっと手前のエリアでずっと検討しており、それより先は「遠すぎてムリ」と決めつけていたのです。

ところが、ふとしたきっかけで一度訪れてみると、距離はだいぶ遠いし、たしかに少し余分に時間がかかるけれど、空いている道路を走るためか実際よりも近く感じて、「ここまで来ても意外と大丈夫だね!」と驚いた記憶があります。渋滞の道を同じ時間走るより、空いている道のほうが疲れないのです。

時間距離も大事ですが、“ストレスが少ない”ことのほうが優先されると思った次第です。

(おすすめ記事)
10年で900時間!二地域居住の移動時間に価値はあるのか。

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この記事を書いた人

NPO法人南房総リパブリック理事長

1973年、東京都生まれ。1996年、日本女子大学卒業、1998年、同大学大学院修了後、千葉学建築計画事務所勤務を経て建築ライターへ。2014年、株式会社ウィードシード設立。 プライベートでは2007年より家族5人とネコ2匹、その他その時に飼う生きものを連れて「平日は東京で暮らし、週末は千葉県南房総市の里山で暮らす」という二地域居住を実践。東京と南房総を通算約250往復以上する暮らしのなかで、里山での子育てや里山環境の保全・活用、都市農村交流などを考えるようになり、2011年に農家や建築家、教育関係者、造園家、ウェブデザイナー、市役所公務員らと共に任意団体「南房総リパブリック」を設立し、2012年に法人化。現在はNPO法人南房総リパブリック理事長を務める。 メンバーと共に、親と子が一緒になって里山で自然体験学習をする「里山学校」、里山環境でヒト・コト・モノをつなげる拠点「三芳つくるハウス」の運営、南房総市の空き家調査などを手掛ける。 著書に『週末は田舎暮らし ~ゼロからはじめた「二地域居住」奮闘記~』(ダイヤモンド社)、『建築女子が聞く 住まいの金融と税制』(共著・学芸出版社)など。

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