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週末は田舎暮らし! を始めよう(19)

実際どれくらいかかるの? 週末田舎暮らしのリアルなコスト(3/3ページ)

馬場未織馬場未織

2016/06/24

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次に、教育費。いわゆる習い事にかけるお金です。

小学生の習い事における月平均の出費は、1万1004円だそうです(ソニー生命保険株式会社「子どもの教育資金と学資保険に関する調査 2015」)。

となると、子どもふたりで月2万程度。受験対策で塾に通わせればこれは跳ね上がります。

また、外食費はふたり以上の世帯で、平均1万2229円/月(総務省統計より http://www.stat.go.jp/data/kakei/tsushin/pdf/24_5.pdf )とのこと。4人家族だと、1万5000円程度になるでしょうか。

ひとり1000~2000円のところで週2~3回食べたらすぐにそれくらいになりますね。

これらを単純に合算すると、4万~5万円/月といった感じになりそうです。

かかるコストがわかったとき、あなたはどう考えますか?

いろいろと漏れがあったり、比較しようのない部分もあるのは承知ですが、数字を並べてみると自分が何に力点を置いた生活をしたいか、改めて認識できるかと思います。

「二地域居住をするための費用を捻出しようと思ったら、生活がタイトになる!」

という印象を持つか。

「そういえば、土日にだらっと使っていた費用を圧縮することができそうだ…」

と思えるかは、各世帯の状況や価値観によってずいぶん違いますね。

高級外車に乗ることが至上の喜びという人もいれば、野菜を育てることが生きがいという人もいます。

「子どもが塾で学べる環境をつくることは、子どもの未来をつくること」という考え方と、「塾のかわりに自然環境のなかでのびのびさせたい」という思いを、引き比べることはできません。

限られた財源を何に使うのかは、人生をどのようにつくっていくかとイコールです。

そのなかで、もし、「田舎で暮らしてみたいな」という気持ちのある方は、現地に行ってイメージを膨らませつつ、現実的に暮らしが成り立つか収支計算をしてみるといいかと思います。

たとえばそれで、いまの暮らし方だと支出が大幅にはみ出てしまう、とわかったとき、

「東京の生活をコンパクトにして、田舎に1軒家を借りない? あるいは、500万円の1軒家を買って15年使ったら、2万円の家賃を15年払うよりお得になるね! 将来はそちらに移住してもいいし」

などと、発展的に考えられたとしたら…。

二地域居住をする暮らしが、ほぼ手に入れられたと考えてもいいかもしれません。

自宅から100km程度のところにある、海に近い家。いいですね!

子どもに自然遊びをさせたい、親は釣りやサーフィンが好き、といった海系家族であれば、憧れるものです。

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この記事を書いた人

NPO法人南房総リパブリック理事長

1973年、東京都生まれ。1996年、日本女子大学卒業、1998年、同大学大学院修了後、千葉学建築計画事務所勤務を経て建築ライターへ。2014年、株式会社ウィードシード設立。 プライベートでは2007年より家族5人とネコ2匹、その他その時に飼う生きものを連れて「平日は東京で暮らし、週末は千葉県南房総市の里山で暮らす」という二地域居住を実践。東京と南房総を通算約250往復以上する暮らしのなかで、里山での子育てや里山環境の保全・活用、都市農村交流などを考えるようになり、2011年に農家や建築家、教育関係者、造園家、ウェブデザイナー、市役所公務員らと共に任意団体「南房総リパブリック」を設立し、2012年に法人化。現在はNPO法人南房総リパブリック理事長を務める。 メンバーと共に、親と子が一緒になって里山で自然体験学習をする「里山学校」、里山環境でヒト・コト・モノをつなげる拠点「三芳つくるハウス」の運営、南房総市の空き家調査などを手掛ける。 著書に『週末は田舎暮らし ~ゼロからはじめた「二地域居住」奮闘記~』(ダイヤモンド社)、『建築女子が聞く 住まいの金融と税制』(共著・学芸出版社)など。

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