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サラリーマンでも生前対策が必要か?

持ち家に住んでいる人はより注意(4/5ページ)

井出光紀井出光紀

2018/07/18

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① 買い換えの特例

相続した自宅を買い換えた場合には、課税を新マイホームの売却まで先送りにできる。
(売却代金より新居の購入代金の方が少ない場合は、一部は先送りされずに課税される)

この特例は売却する自宅に10年以上住んでいたこと、売却した年の前年~翌年の3年間の間に新マイホームを購入することなどの要件がある。

また、上記①②と併用できないため、どちらを選ぶか選択する必要がある。

【相続後その自宅が空き家となっていた場合】

3,000万円の特別控除(空き家に係る特例)

亡くなった日から3年目の年末までに亡くなった方の住んでいた自宅を売却した場合に、上記の自宅の売却により生じた利益より3,000万円を控除できる。

 ただし、相続後住み続けている場合よりは厳しい要件が設けられており、その自宅については下記の要件を満たす必要がある。

 ・昭和56年5月31日以前に建築
 ・区分所有の建物(分譲マンションなど)でない
 ・亡くなる直前に一緒に住んでいた方がいない
 ・亡くなった時から何にも使用せず空き家であること
 ・基準に適合する耐震リフォームを施すor建物を取り壊して空き地であること
 ・売却金額が一億円を超えないこと

 また、上記で紹介した亡くなった方の購入金額に相続税の一部を加算する規定についてはこの規定とは併用できず、軽減税率の規定も設けられていない。

この規定はいま問題になっている空き家対策で設けられているもののため、このような少し厳しい取り扱いになっている。

実際の使い勝手はあまりよくないかもしれないが、古い自宅を取り壊して土地を売却した時に優遇される措置があるくらいの認識を持っているとよい。

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この記事を書いた人

税理士

専門学校で簿記に触れ、税理士を志す。 平成25年より会計事務所に勤務し、平成28年税理士資格取得。 現在は会計事務所の所属税理士として勤務している。 人工知能に置き換えられない、提案型の税理士を目指し、 中小企業の顧問から資産税までさまざまな業務に携わっている。

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