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コロナ後の人類は、健康的な生活様式を手に入れる?(4/4ページ)

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もう1つ、注意が必要なのは糖尿病だ。

糖尿病は有病者と糖尿病予備群がそれぞれ1000万人、合わせて2000万人いるといわれている生活習慣病である。「国民健康・栄養調査結果」(平成30年)によると、「糖尿病が強く疑われる人」の割合は男性が18.7%、女性が9.3%と高血圧に比べれば低いが、年代別で見ると、50歳を超えると一桁だった割合が急激に上がって18.6%、60歳を超えると24.8%と4人に1人が糖尿ということになるだ。こうした傾向は女性も同じで割合が増えるのは男性より遅く60歳を超えてからで、12.8%と2桁になってくる。


出典/厚生労働省「国民健康・栄養調査」(平成30年)

このように高血圧、糖尿病は加齢とともにその割合が増えており、とくにこの2つはさまざま病気の因子と結びつき合併症を併発することが多いため、定期健診でその兆候をつかむことが重要なのだ。そんな中で新型コロナによって、定期健診をしない人が増えていることは要注意な傾向ということができるだろう。

年齢を重ねていくと「眠れない」「何を食べてもおいしくない」「疲れがとれない」など、身体の不調を感じることが多くなってくるもの。このように何となくスッキリとしない状態を「クオリティ・オブ・ライフ(QOL)が低下した状態」という。QOLとは、「生活の質」「人生の質」と訳され、自分の意思で人間らしい生活、自分らしい生活を送り、幸福を感じる人生という意味で、高齢化が進む中で重要視されている。

例えば、どんなことを指すかというと、健康で家族や友人との会話を楽しみながら、おいしく食事をする。好きな趣味を楽しむことができるなど、日常生活をストレスなく、普通に楽しむことができていることがQOLの高い生活ということになる。こうしたQOLが高い生活は、日々の生活を充実させるだけにとどまらず、免疫力も高めることにつながる。

しかし、新型コロナは家族や友人との会話を楽しみながら、おいしく食事をする。好きな趣味を楽しむ――といったQOLの高い生活を阻む大きな障害になっている。

前述のアシックスのアンケート調査によれば、新型コロナウイルス感染症が収束した後も、ランニングやエクササイズなどの定期的な運動を継続したいと考えている人が世界で73%、日本で75%とおよそ4分の3が運動を継続したいと考えている。そして、このうち新型コロナが拡大してからランニングを始めた人が62%を占める。

これまでの生活様式を変えさせた新型コロナだが、収束しこれを乗り切った人類はより健康に目覚めることになるのかもしれない。

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