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平均購入価格は5538万円で過去最高 首都圏新築分譲マンション契約者動向調査(3/3ページ)

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住まいの購入理由では「資産として有利」が依然伸長

住まいの購入理由については、

「子どもや家族のため、家を持ちたいと思ったから」…38.1%
「現在の住居費が高くてもったいないから」…32.5%
「もっと広い家に住みたかったから」…28.0%
「資産を持ちたい、資産として有利だと思ったから」…27.1%

上記がそれぞれ20%を超え、ほかを引き離してのTOP4となっている。なお、このなかで過去との変動差がもっとも著しいのが、「資産を持ちたい、資産として有利だと思ったから」である。

03年は9.1%だったが、いまは約3倍に膨らんでいる。なおかつ、今回も数字を過去最高に伸ばしている。なお、この「資産を持ちたい、資産として有利だと思ったから」については、以下のとおりシングル世帯での割合がほかの世帯に比べて高いことも特徴だ。

シングル世帯 …40.8%
夫婦のみの世帯 …30.0%
子どもあり世帯 …19.5%
シニアカップル世帯 …15.5%

購入重視項目では「住宅内外の環境」での数字が増加

「物件を検討するうえで重視した項目」では、各項目の順位、数値ともに、昨年からの大きな変動はおおむね見られない。そのうえで、挙げるとすれば、

「住戸の広さ」「間取りプラン」「生活環境」「周辺環境」「住戸の向き」「住戸の設備・仕様」「住戸の部屋の数」「耐久性・構造」「エリアイメージ」

といった、住宅内外の環境に関する項目で、軒並み数字が上がっているのが、特徴的といえば特徴的である。

一方で、「最寄り駅からの時間」がわずかに減っていることを併せると、やはり、新型コロナウイルスによる心理的、または具体的な影響をここにも垣間見ることができそうだ。

以上、「2020年首都圏新築マンション契約者動向調査」の中から、目立ったトピックをいくつか挙げてみた。

なお、賃貸住宅オーナーとして、やはり気になるのは、資金・ローンにかかわる数字だろう。

・自己資金比率は過去最低
・自己資金比率0%の割合は過去最高
・ローン借入総額も過去最高

これらはいずれも、賃貸住宅にとっての逆風を意味している。端的には、お金を一生懸命貯めなくとも、収入さえしっかりしていればマンションを買えてしまう環境が、近年はすっかり定着しているということだ。

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