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おすすめできない4つの理由

はっきり言おう! 新築区分マンション投資は儲からない(3/5ページ)

尾嶋健信尾嶋健信

2016/04/06

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3つ目のデメリットは、利益率がきわめて低いこと。たとえば、2000万円の新築ワンルームマンション1室を、1月10万円で借家人に賃貸するとしましょう。もし、その物件をローンで購入したのであれば、毎月のローン返済額を差し引くと、利益は月5万円程度にしかなりません。しかもそこから、毎月の管理費・修繕積立金を支払うと、手元に残るのはせいぜい2〜3万円程、場合によっては数千円ということもあります。つまり、ローンで購入した新築マンションで賃貸経営しようと思っても、儲けはほとんど出ないのです。

新築区分マンション投資の4つ目のデメリットは、不動産投資として見た場合、費用対効果が悪すぎること。これは、マンションを1棟丸ごと購入した場合と比較すれば、すぐわかります。

たとえば、全20室あるマンション1棟を3億円で購入して、不動産投資を行なうとしましょう。たとえ1室当たりの利益が5万円だとしても、20室集まれば月100万円になります。月にこれだけの家賃収入があるのであれば、ときどき現地視察に行ったり、クレーム対応で管理会社と打ち合わせするなど、オーナーとして、それなりに労力をかける意味はあります。

では、マンションの一室しか所有していない場合はどうでしょう。

たとえ1室しか所有していなかったとしても、あなたがオーナーであれば、ときに現地も視察しなければいけないし、借家人や管理会社との折衝も必要になるはず。問題は、月に5万円しか売上げのない出投資物件に対して、それだけの手間と時間と労力をかけられるかどうか、ということ。あまりに、費用対効果が悪すぎるし、場合によっては現地への交通費だけで足が出てしまう可能性も。つまり、区分マンションの賃貸経営は、それだけ割に合わないのです。

一方、新築区分マンション投資の唯一のメリットは、誰にでも物件を購入しやすいこと。区分マンションであれば、販売価格はそれほど高くないし、広告宣伝しているくらいですから、販売情報も誰にでもキャッチできます。つまり、新築区分マンションによる不動産投資は、一般の人でもすぐに始めやすいわけです。

ただし、数々のデメリットを考えれば、初心者は区分マンション投資に手を出すべきではありません。特に、ローンを組んでまで区分マンション投資を行なうのは「ナンセンス」だと断言できます。

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この記事を書いた人

満室経営株式会社 代表取締役

1970年、神奈川県逗子市生まれ。青山学院大学経営学部卒業。 大学卒業後、カメラマン修行を経て、実家の写真館を継ぐ。その後、不動産管理会社に勤務。試行錯誤の末、独自の空室対策のノウハウを確立する。 2014年時点で、500人以上の大家さんと4000戸以上の空室を埋めた実績を持つ。著書に「満室革命プログラム」(ソフトバンククリエイティブ)、「満室スターNO1養成講座」(税務経理協会)がある。 現在、「月刊満室経営新聞(一般社団法人 日本賃貸経営業協会)、「賃貸ライフ(株式会社 ビジネスプレス出版社)」にコラム連載中。 大前研一BTT大学不動産投資講座講師。

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