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ファミリー向け分譲マンションに特化した不動産投資法――分譲マンション投資のデメリットに対する見解について(3/3ページ)

横山 顕吾横山 顕吾

2021/10/20

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区分マンションは儲からない?

3つ目のデメリットは「区分マンションは儲からない」についてです。

確かに、新築ワンルームマンション投資の多くは「節税」が販売の謳い文句になっています。給与所得から源泉徴収された税金が、不動産所得と損益通算されることで戻ってくるので節税になるという理屈です。

言い方を変えますと「サラリーマンで稼いだ儲けを新築ワンルームマンションの赤字で減らすことにより支払う税金を少なくします」ということです。

新築ワンルームマンションが儲かるのであれば税金はより増えます。損益通算で税金が少なくなるということは、不動産所得では「儲かってない」ということです。

しかし、こういった「儲からない区分」は買わなければいいだけです。「儲かる区分」だけを購入すればいいのです。

一棟物といわれる賃貸アパート・マンションも、販売されているすべてが儲かる物件ではありません。一棟物も儲かる物件より儲からない物件の方が多いです。そのためセンミツ(いい物件は1000件に3件ほどしかない)と言われるのです。

もし本当に「儲かる区分」がないなら、私がサラリーマンをしながら6年間で9つ金融機関から融資を受け、売却することなしに30戸以上区分を購入することはできなかったはずです。「儲かる区分」が存在するから、9つの金融機関がフルローン以上の融資をしてくれたのです。

つまり「儲かる区分がない」のではなく、「儲かる区分を見つけられていない」あるいは、「儲かるように購入することができない」ということなのです。一棟物も区分も違いはありません。

次に、「儲かる」ついての考え方です。

一棟物の場合、一度の購入で、複数戸を取得することになります。したがって、家賃収入も一度に複数戸からいただけます。

一方、区分の場合は一戸のみの購入ですから、家賃収入も一つだけです。そのため「区分は儲からない」と考えられなくはありません。

しかし複数回、区分を購入すれば、この問題は解消していきます。区分マンションを6回購入すれば、6戸の一棟物と同じ収入数になります。

ここで、6戸の一棟物を購入するのと、区分を6回購入する場合を比較してみたいと思います。

一棟物の場合、6戸でいくら儲かるかという検討を1回します。区分の場合は、一戸ずついくら儲かるかという検討を6回します。

この差がとても大きいのです。つまり一棟物を購入する場合、多くの人は、一棟全体で検討していて、一戸ずつの個別検討をしていない場合が多いのです。6戸まとめるから儲かるように感じるだけで、一戸ずつの儲け額は決して一棟物も大きくありません。一棟物も各部屋で間取り、景観、階数など同じものは一つもありません。修繕費もかかる部屋とかかならい部屋がでてきます。マイナスの部屋が出ても一棟全体の収支の中にまぎれてしまいやすいです。

一方、区分の場合は、一戸ずつ収支が明確になるため、利益を確保しようとする意識が働きやすいです。

したがって、一戸ずつ確実に利益を得る区分を複数所有することは、同じ戸数の一棟物に比して、安定的な収入を得やすいということになります。

以上より「区分は儲からない」ではなく、一戸の儲かる額が小さいだけで、それは一棟物も同じ。むしろ、一戸ずつの利益を確保しやすい区分を複数戸所有することが、リスク分散にもなり、安定的な利益をもたらすというのが私の見解です。

今回のコラムで連載終了となります。今までお読みいただき、ありがとうございました!

【過去の記事】
第1話 区分マンションは儲からない? そんなことはありません
第2話 ファミリー向け分譲マンションで不動産投資をする理由
第3話ファミリー向け分譲マンションで不動産投資をする理由②
第4話ファミリー向け分譲マンションで不動産投資をする理由③

第5話ファミリー向け分譲マンションで不動産投資をする理由④

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この記事を書いた人

マンション管理士、管理業務主任者、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、賃貸経営アドバイザー、防火管理者、損害保険募集人

1970年岡山市生まれ。筑波大学体育専門学群卒業後、転職を繰り返し、6つ目の勤務先として分譲マンション管理会社に就職。2008年から一般財団法人日本不動産コニュニティー(J-REC)広島支部長を務め、12年に投資用分譲マンション2戸を取得。17年に区分マンション所有に特化した専業家主へ転身。趣味はリフォーム、ラグビー観戦。

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