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デジタル化が進むほど、リアルな人と人とのつながりが重要になる(3/6ページ)

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未来につながる実験 繰り返し経験を積む

——ちなみに、リフォームやリノベーションを手掛けるようになったのはなぜですか。

やはり楽しいからだと思いますが、手に職をつけたいという思いがきっかけになっています。

私は、大学を卒業してから40歳近くまでサラリーマンをやっていたのですが、「オレって、何ができるのかな」と考え始めたことがありました。そんなとき、「家を一軒建てちゃう大工さんってすごいな」と思ったんです。何十年も前に建築した家が、いまもしっかり建っているわけですから。

それに加えて、東日本大震災のときに見た光景も自分に影響を与えています。東北地方で暮らす人々が津波によって家を流された後、そこら中にあるがれきや木材などを使って小さな家を建てているのを見ました。おじいちゃんやおばあちゃんに話を聞くと、戦後はみんなそうやって家を建てていたと言うんですよね。今の自分は小さな小屋ですら作れない、と思いました。

そういったこともあって、何か手に職をつけたいと内装屋の職業訓練に通うことから始めました。3カ月間通って、その後は、オーナー同士のつながりで知り合ったDIYが得意な方のところで修業させてもらいました。

——やはり、ご自身でリフォームをすると経費の面にも違いが出ますか。

かなり違います。以前、リフォームの件でいくつかの業者さんに見積もりをとったら、それぞれ金額がバラバラだったことがありました。当然、それぞれ利益を乗せているわけですよね。しかし、自分でできるようになってからは、材料費だけ。場合によっては、業者さんの見積もりと何十万もの差が出ることもあります。

——失敗した経験はありますか。

失敗はありませんが「未来につながる実験」はたくさんやっています(笑)。そう、実験するから、できることやできないことが分かるようになるので、将来的には成功しかないんです。


作成途中のカウンターキッチン 

アフター・コロナを見据えた部屋作り

——テレワーク用の部屋も構想中だということですね。

テレワークでのオンライン会議の最中は、お部屋の一部分を見られることになります。そのため、おしゃれ感があり、見せたくなる部屋を作ろうと考えています。例えば、壁全面に黒板塗装をする案。就職活動中の学生であれば、黒板シートに自分のアピールポイントをあらかじめ書いておいてリモート面接に挑むのもいいと思いますし、サラリーマンであれば会議やミーティングに利用することもできると思います。

——生活感が見えないことがポイントになるでしょうね。

そうですよね。そのほかの壁にはOSB合板を使おうと考えていますが、どんな塗装にしようか、どんな素材にしようか、いろいろ試しているところです。今年の夏が終わる頃には完成していると思います。これも、何かアイデアがあれば入居希望者さんにも聞きたいところですね。

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この記事を書いた人

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