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デジタル化が進むほど、リアルな人と人とのつながりが重要になる(2/6ページ)

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会話から生まれる大きな付加価値

——内見時、成約につながる工夫はしていますか。

もちろんです。私は、自分でもリフォームやリノベーションをしていますので、「このお部屋のこの部分は、こういうふうにすると使いやすいですよ」といったことを直接分かりやすくお話しするようにしています。また、入居希望者さんに、「どんなふうにこのお部屋を使いたいですか」という質問をすることもあります。すると、その人なりに、いろいろな考えや希望を話してくれることもありますね。

——実際に、入居希望者の要望をお部屋に反映したこともあるそうですね。

 バスルームや洗濯機置き場などのスペースの入り口が廊下に面しているお部屋がありました。そこは、入り口として開いているだけで、ドアはついていませんでした。それを見た入居希望者さんが、「ここに扉があるといいですね」と言うんです。「それなら、扉を作りましょう」と。しかし、普通の扉をつけると、デッドスペースが生まれてしまう。かといって、カーテンレールをつけて、カーテンで仕切るのもおもしろみがない。そこで、OSB合板※でアコーディオンカーテンを作ってみました。これをやったこともあって、入居を決めていただきました。ただ入居する、ただ入居してもらうというのではなく、会話することによってお互いに付加価値が生まれているということだと思います。

※OSB合板(配向性ストランドボード)アスペン(ポプラの一種。北米の未利用樹種)など、軟らかで曲げ強度も低いため、そのままでは建材として利用しづらい低質の広葉樹を加工して、構造用の材料に使用できるよう転換させたもの


入居を決める後押しになったアコーディオンカーテンの仕切り(写真/山田オーナー提供) 

——内見のときに、自分が希望する作りに変えてくれるというのは、入居希望者にとってはかなりうれしいことでしょうね。

私は電気工事士の資格も取得しているので、照明やコンセントを新設する工事や、場所を移動させることも可能です。キッチン回りは電化製品を使う割にコンセントが少ないケースも多いですから、そういった希望があればかなえることができます。

たまに調子いいことを言い過ぎてしまって、自分が後から大変なことになってしまうこともありますけどね(笑)。

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この記事を書いた人

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