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不動産投資の視点から考えるシェアハウス(2/2ページ)

森田雅也森田雅也

2017/08/18

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このようにシェアハウスには、メリットがあります。
しかし、シェアハウス特有の居住者同士のトラブルも賃貸人は対応しなくてはなりません。シェアハウスは賃借人同士で、共有部をシェアするので通常の賃貸借契約では起こりえないトラブルが発生します。例えば、冷蔵庫などは共用部分であるキッチンにあることが多いので、自分の物と他の居住者の私物が混同することになります。いざ、自分の飲み物を飲もうとしたらなくなっている、風呂場に置いていた櫛が勝手に使われているなど、プライベートが守られないというトラブルが生じます。

また、共有スペースのゴミ出しなども居住者間で割り振るのか、管理会社が行うのか、管理会社が行う場合、管理費が高くなるなどの細かな点まで、考慮しなくてはなりません。

シェアリングエコノミーの流れは今後も加速する可能性が高く、そういった視点からもシェアハウスの増加は予想されますが、比較的新しい契約形態なので、取り扱っている管理会社が少ないという現状もあります。

結局のところ、このようなトラブルは、賃借人次第という部分もあり、仲のいい賃借人の場合、ホームパーティーを行ったり、休日には買い物に行ったりと何も問題が起こらず、管理もさほど大変ではないという物件も存在しています。

このように、不動産投資をするにあたり、新しいシェアハウスという契約形態を取り入れるメリット、デメリットを吟味して、所有物件にはどのような賃貸借契約がいいのかを判断してください。また、大学のそばなら学生限定のシェアハウスにする、小学校の近くなら一棟貸しにするなど、地域の実情に併せて使い分けていくことも有用なので、地域の実情をよく知る不動産会社とよく話し合って決めていただくことをお勧めします。

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この記事を書いた人

弁護士

弁護士法人Authense法律事務所 弁護士(東京弁護士会所属)。 上智大学法科大学院卒業後、中央総合法律事務所を経て、弁護士法人法律事務所オーセンスに入所。入所後は不動産法務部門の立ち上げに尽力し、不動産オーナーの弁護士として、主に様々な不動産問題を取り扱い、年間解決実績1,500件超と業界トップクラスの実績を残す。不動産業界の顧問も多く抱えている。一方、近年では不動産と関係が強い相続部門を立ち上げ、年1,000件を超える相続問題を取り扱い、多数のトラブル事案を解決。 不動産×相続という多面的法律視点で、相続・遺言セミナー、執筆活動なども多数行っている。 [著書]「自分でできる家賃滞納対策 自主管理型一般家主の賃貸経営バイブル」(中央経済社)。 [担当]契約書作成 森田雅也は個人間直接売買において契約書の作成を行います。

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