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不動産投資のリスク~海外版~(2/2ページ)

森田雅也森田雅也

2018/02/20

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では、実際に海外でキャピタルゲイン方式による投資をしたほうがいいのか?

海外では、日本で当然受けられる融資を全額受けることができないのが通例です。このため、初期費用が日本に比べかなり嵩むことになります。
また、海外ではプレビルドといった、完成前の建物に金銭を支払うことになります。信用できる業者ならば、建物完成前に支払っても問題はありません。
しかし、金銭を支払ったとたんに業者と連絡がつかなくなり、建物も一向に建設されない。いわゆる詐欺に遭われる方もいます。
また、プレビルドなので、急遽金銭が必要になっても、売却したい時に建物が完成していないと売却先がなかなか見つけられません。

他方、海外投資にも利点はあり、海外の融資は全額受けられないことが多いのですが、ノンリコースローンという融資形態を採用しているので、返済ができないとなれば不動産を売却してしまえば、残りの返済は一切ありませんという融資形態が慣例となっています。

このように、海外投資にも利点はあるのですが、初期費用が嵩むので手持ちが少ないという場合は海外よりも日本での不動産投資をお勧めします。
資産に余裕のある方でも、詐欺や立地、業者の信頼など多方面の情報を収集し慎重に進めれば、海外の途上国は物価の値上がりが早いので不動産投資に成功することも十分ありえます。

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この記事を書いた人

弁護士

弁護士法人Authense法律事務所 弁護士(東京弁護士会所属)。 上智大学法科大学院卒業後、中央総合法律事務所を経て、弁護士法人法律事務所オーセンスに入所。入所後は不動産法務部門の立ち上げに尽力し、不動産オーナーの弁護士として、主に様々な不動産問題を取り扱い、年間解決実績1,500件超と業界トップクラスの実績を残す。不動産業界の顧問も多く抱えている。一方、近年では不動産と関係が強い相続部門を立ち上げ、年1,000件を超える相続問題を取り扱い、多数のトラブル事案を解決。 不動産×相続という多面的法律視点で、相続・遺言セミナー、執筆活動なども多数行っている。 [著書]「自分でできる家賃滞納対策 自主管理型一般家主の賃貸経営バイブル」(中央経済社)。 [担当]契約書作成 森田雅也は個人間直接売買において契約書の作成を行います。

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