ウチコミ!タイムズ

賃貸経営・不動産・住まいのWEBマガジン

法務省による「供託手続き」とは?(2/3ページ)

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE
  • Hatebu

3 そしてどうなるのか?

法務局から供託の通知を受け取った貸主さんは、供託所に出向いてお金を受取るか、訴訟等にするかを選択するしかありません。貸主さんが供託所の供託金を受取った場合は家賃の値上げで揉めていた場合、値上げを断念した事になりますし、契約更新の拒絶をしていた場合であれば、契約の更新を認めたことになります。

貸主さんがそれでも納得しない場合、訴訟等に発展する可能性があります。その場合は、その訴訟に応じていく事になります。ただし、先ほど話したように「貸主さんが受取っていない家賃等」でも、供託されている家賃については滞納とはなりません。この部分が保証されています。

※ちょっと昔に良くあったのですが、家賃の受取を大家さんが拒否して置いて、家賃滞納の件まで持ち出して自分側を有利に交渉するような事案が、意外と沢山ありました。

こんな事をされてしまうと、借主さん側は「打つ手がありません」ね。そう言った方々を救済する為にある手続きです。

※わかり易い例でご紹介しますと・・・。

高額な値上げを要求されて、その家賃でなければ「家賃を受取らない」などと言われたような場合。相手の要求をのまなければ、家賃滞納の事態が発生してとても不利になってしまいます。そんな場合に、借主さんが「従前の家賃」を「供託」することで、滞納と言う事態が避けられます。

■法務省の供託手続きを行うにあたり注意事項

法務局に供託の手続きを行う場合「供託を行う理由」で事実と違う申告をしないようにしてください。
例えば、貸主が家賃の受け取り拒否をしていないのに「貸主が家賃を受取らない」という様な申告は、後々良い影響はありません。

最悪の場合、供託理由がウソだと「供託自体が無効」とされてしまう事があります。供託の手続きに際しては、事実と違う申告などしないようにしてください。そして、相対的な注意ですが、あくまでも交渉や話合いを基準にしてください。

供託などの手続きも用意されていますが、どちらかと言えば「波風を立たせる」ような手続きとも取れます。

「相手が聞く耳を持たない」「一方的な要求」「解約などをちらつかせてくる」という様な、通常の話合いが通用しない場合に行うようにしましょう。そして、出来れば「こういった手続きや処置に詳しい専門家」などに相談や助言を求めて計画的に行いましょう。

また、貸主さん側についても「供託されている通知」が届いた場合、供託された家賃を長い期間放置するのは危険です。供託された家賃などは、供託した借主本人が取り下げてしまう事も簡単に出来ますし、借主さんの関係する債権者などが差異押さえを行う場合もあります。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE
  • Hatebu

この記事を書いた人

賃貸経営・不動産・住まいのWEBマガジン『ウチコミ!タイムズ』では住まいに関する素朴な疑問点や問題点、賃貸経営お役立ち情報や不動産市況、業界情報などを発信。さらには土地や空間にまつわるアカデミックなコンテンツも。また、エンタメ、カルチャー、グルメ、ライフスタイル情報も紹介していきます。

ページのトップへ

ウチコミ!