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ふたつの街の類似点はこれだけある

巨大マンションが立ち並ぶ豊洲は、多摩ニュータウンと同じ運命をたどる!?(3/3ページ)

大友健右大友健右

2016/09/19

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同じ失敗が繰り返される利用とは?

このように再開発には明暗があり、私が多摩ニュータウンと同じ運命をたどるのではないかと懸念しているのが豊洲エリアです。

最近では築地市場の移転問題で話題になることが多いですが、100m級の高層マンションが立ち並ぶエリアには同じ世代の人が住んでいます。10年後、20年後というタイムスパンで見てみれば、私が目にした多摩ニュータウンと同じ状況がこの街にやってくるのではないかと心配になります。

多摩ニュータウンのような問題が学習されることなく、豊洲に同じような巨大なマンションが立ち並ぶようになったことを不思議に思う人もいるかもしれません。でも、多摩ニュータウンも豊洲エリアも、開発計画が立案された当初は、「再開発されたマンション街に数十年住み続けた人」が存在しなかったことを考えると、それも当然のことのように思えます。

鉄筋コンクリートのマンションの法定耐用年数は、財務省が資産を計算する便宜から一律60年と定められていましたが、1998年の税制改正で47年に短縮されました。

東京は、常に人の流れが変化する動的な街です。それが東京の魅力でもありますが、同世代の人たちを大規模に収容する極端な再開発には、世代交代の際に多くの物件が売れ残るという負の力学が働くということを覚えておいてほしいと思います。

「住み続ける街」という観点で再開発エリアを考え直してみると、見逃せない問題があるのではないでしょうか。

今回の結論

・変化の激しい東京では、あちこちで再開発計画が行なわれている。
・しかし、計画には明暗がある。多摩ニュータウンをはじめ、豊洲エリアの再開発には負の側面がある。

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この記事を書いた人

株式会社ウチコミ 代表取締役 株式会社総研ホールディングス 代表取締役 株式会社プロタイムズ総合研究所 代表取締役 1972年生まれ。大手マンション会社で営業手法のノウハウを学んだのち、大手不動産建設会社に転職。東京エリアにおける統括部門長として多くの不動産関連会社と取引、不動産流通のオモテとウラを深く知る。 現在、株式会社プロタイムズ総合研究所 代表取締役として、住宅リフォームを中心に事業を展開。また、株式会社ウチコミ 代表取締役として、賃貸情報サイト「ウチコミ!」を運営。入居の際の初期費用を削減できることから消費者の支持を集める。テレビ・新聞・雑誌などメディア出演も多数。

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