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ふたつの街の類似点はこれだけある

巨大マンションが立ち並ぶ豊洲は、多摩ニュータウンと同じ運命をたどる!?(2/3ページ)

大友健右大友健右

2016/09/19

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かつて活気に満ちていた多摩ニュータウンは…

失敗例として私があげたいのは、ほかでもない多摩ニュータウンです。

個人的な話になりますが、私が通っていた高校がこの地区にあり、大規模なマンションに住んでいる同級生が多くいました。当時は非常に活気があり、地域のコミュニティ活動も盛んに行われていました。

高校を卒業後、この街とはしばらく疎遠になりましたが、不動産会社に就職して再会することになりました。新人の営業マン時代、この街では「住み替えをしたいので、いままで住んでいた部屋を売りたい」という問い合わせが殺到したのです。

いや、「売りたい」という人は50戸くらいのマンション1棟のうち、3戸くらいのものでしたから、売り手側にとっては「殺到」という言葉は適切ではないかもしれません。しかし、多摩ニュータウンにはマンションが数十棟とあるのです。50戸のうち3戸だけでも、同じような形の部屋がそれと同じくらい売りに出されることになります。

これでは適切な値段で売ることは不可能です。その結果として、マンションを手放そうとした人は極端に安い値段で手放すか、売りに出せずにあきらめるか、いずれも厳しい選択を強いられることになってしまったのです。

それ以上にショックだったのは、高校時代に見た活気ある街が、高齢化してゴーストタウンのようになってしまった街の変わりようです。私と同年代の同級生たちは独り立ちして街を出てしまい、残されたかつての働き盛りのお父さんお母さん世代の人たちはバリアフリーという言葉がなかった時代に建てられたマンションの構造に不便を感じるほどの高齢者になっていました。

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この記事を書いた人

株式会社ウチコミ 代表取締役 株式会社総研ホールディングス 代表取締役 株式会社プロタイムズ総合研究所 代表取締役 1972年生まれ。大手マンション会社で営業手法のノウハウを学んだのち、大手不動産建設会社に転職。東京エリアにおける統括部門長として多くの不動産関連会社と取引、不動産流通のオモテとウラを深く知る。 現在、株式会社プロタイムズ総合研究所 代表取締役として、住宅リフォームを中心に事業を展開。また、株式会社ウチコミ 代表取締役として、賃貸情報サイト「ウチコミ!」を運営。入居の際の初期費用を削減できることから消費者の支持を集める。テレビ・新聞・雑誌などメディア出演も多数。

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