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何にどこまでお金をかけますか?

最小の資金で最大の効果を引き出す! 空き家リフォーム・リノベーションの考え方(2/2ページ)

高橋 洋子高橋 洋子

2016/08/04

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壁や床、外観など目に入りやすい箇所を入念に


部屋の印象を大きく左右するのが壁と床

リフォーム・リノベーションに対する考え方は、投資家さんによってまさに人それぞれです。
 
先ほど、「表層リフォーム」を行なわなくても入居者が見つかった事例をお伝えしましたが、逆に、大きく目に入る「壁と床」や、第一印象となる「外観」にお金をかけて見栄えをよくすることが、入居の決め手になると考えている人もいます。

またある人は、キッチンにこだわって、激安空き家でも、3口ガスコンロに魚焼きグリルもあるキッチン台を入れることで、入居者を早く決められると言います。キッチン台の取り替え価格は、仲介業者に出すAD(広告料)2カ月分に相当するようです。それを考えると安いものかもしれません。

そのほか、入居者に壁紙を好きに選んでもらったり、DIYで壁を塗ったりしてもいいというオーナーもいます。DIYで家をつくっていく楽しさを味わいたい入居者もいますから、そうした人とマッチングすれば、オーナーはリフォームする手間とお金を省くこともできて、かつ入居者は自分の好きなようにリフォーム・リノベーションできるという利点があります。

安全性とコストをどう考えるか

このようにいろいろな考え方がありますが、すべての物件に共通して考えるべきは「安全性」でしょう。耐震補強などに多額の投資をしてしまうと、回収までに時間がかかってしまうので悩ましいところではありますが、無視することはできません。

長期保有する前提なら、耐震補強をしたり、家が長く持つようにお金をかけてしっかりリフォーム・リノベーションすることで、安心して長く住んだり貸したりできます。さらに高く売却できる可能性も出てきます。どこまでコストをかけるかは慎重な検討が必要です。

なお、リフォーム費用を安く抑えるためには「分離発注」といって、部分的に得意な業者さんに振り分けて発注をしたり、「施主支給」といって、部材を自分で安く見つけて入手して、それを使ったりすることで費用を抑えることもできます。

いずれにしろ、ご自身がどんな家に再生したいのかをしっかりプランニングして、「お金をかけるべきところ」「お金をかけなくていいところ」を見きわめることが大切です。

 

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この記事を書いた人

暮らし研究所エメラルド・ホーム代表

暮らしのジャーナリスト・ファイナンシャルプランナー 1979年岐阜県生まれ。 情報誌の編集、フリーライターを経て現職。空き家をリノベーションし、安くマイホームを購入した経験から、お得なマネー情報の研究に目覚め、ファイナンシャルプランナーの資格を取得。講演・執筆・FP相談を通じて、家探しの基本から中古住宅の価値向上とリノベーションの魅力を伝えている。空き家活用に関するセミナーは3年でのべ2000名が参加し、「わかりやすくて、おもしろい。勇気がもらえる」と幅広い世代から好評を得ている。著書に『家を買う前に考えたい! リノベーション』(すばる舎)、『100万円からの空き家投資術』(WAVE出版)など。

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