ウチコミ!タイムズ

賃貸経営・不動産・住まいのWEBマガジン

ACLは「百害あって一利なし」!?

”売り”のはずの断熱性に疑問! ヘーベルハウスに泣かされた3つのケース(2/3ページ)

岩山健一岩山健一

2016/07/15

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE
  • Hatebu

長年騙されていたAさんのケース

Aさんはご主人の仕事の関係でドイツ転勤から日本に戻る際、へーベルハウスで自宅を建てました。その際、娘のピアノ室の防音を依頼したのですが、まったく防音にならず、そればかりか、寒い隙間風に悩まされることになります。そして多忙なご主人は、1階の和室で「寒い」と言いつつ仕事をしていて、ある日の朝亡くなっていたといいます。

それから数年が過ぎ、リフォームをするか、売却するかというときに弊社に検査の依頼がきたのです。

見れば、断熱はいいかげん、防音と称するも防音にはなっておらず、特にご主人が亡くなられたという和室にはすごい隙間風が吹き込んでいることがわかりました。しかも、防音の不備に対しては、「これ以上異議を言わない」という承諾書まで書かされていたのです。

どこまで消費者を愚弄しているのでしょうか。Aさんは、そこで長年騙されてきたことに、やっと気づいたのでした。

カビの原因を認めようとしないBさんのケース

Bさんは都内の高級住宅地に娘さんのための家を建てることに決め、1階部分を貸家にした賃貸併用住宅としてヘーベルハウスに建築を依頼しました。住み始めてからほどなく、1階の床にカビが生えたことをきっかけに、弊社が検査に入ったのです。

カビの原因は、1階床のヘーベル板が建設時に降雪を受け、気泡に入り込んだ水分が十分乾燥しきる前に、工期を急ぐあまり内装工事をしてしまったことと判明しました。さらに1階床には断熱すら入っていないことがわかったのですが、ヘーベルハウス側はそれを認めず、「カビの原因は部屋の通気をしないから」などと苦しい言い訳を貫くような姿勢に終始したのです。

その他にも調べてみると、駐車場として使用したいと思っていたところに引き込み電柱が立っていたり、北側に無駄な空きが発生していたり、思わず首をかしげてしまうような設計、施工上の不備が多々確認されました。

ヘーベルハウスの言い分は、「図面に描いてあるでしょう。図面通りなので問題ないはず」というのですが、こちらからすれば、そもそもそのような図面を描くということ自体が問題であると思うのですが…。

次ページ ▶︎ | 「4階建てが建設できる」と言われたから契約したのに…

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE
  • Hatebu

この記事を書いた人

株式会社日本建築検査研究所 代表取締役

一級建築士 建築ジャーナリスト 大学で建築を学び、NHKの美術職を経て建築業界へ。建築業界のしがらみや慣習に疑問を感じ、建築検査によって欠陥住宅を洗い出すことに取り組む。1999年に創業し、事業をスタート。00年に法人化、株式会社日本建築検査研究所を設立。 消費者側の代弁者として現在まで2000件を超える紛争解決に携わっている。テレビ各社報道番組や特別番組、ラジオ等にも出演。新聞、雑誌での執筆活動も行なう。 著書にロングセラー『欠陥住宅をつかまない155の知恵』『欠陥住宅に負けない本』『偽装建築国家』などがある。

ページのトップへ

ウチコミ!