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「いくらで貸せるのか」はこうして見きわめる

住宅ローン返済に困ったときに備えた、「賃貸しやすい」「売却しやすい」中古マンションの選び方(2/2ページ)

牧野寿和牧野寿和

2016/06/28

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いくらぐらいで貸し出せるのか?

肝心の「いくらぐらいで貸し出せるのか」についてですが、賃貸に出したときの平均的な賃料や動向については、さまざまな統計が公表されています。大手不動産ポータルサイトでも、実際に取引されたマンション・アパートや一戸建ての賃料相場を調べられるところがあります。間取りや占有面積、駅からの距離などで比較できるので相場感を養いましょう。

ただし、実際にいくらぐらいで賃貸できるかは自分で情報を集めることも大切です。もちろん素人の相場感は正しくない場合もあるので、その地域の賃貸物件を数多く持っている不動産会社に相場情報を聞くのも手です。

「賃貸できる価値のある物件」の見分け方

賃貸に出せる価値のある物件を見分けるポイントとしては、購入を検討している物件にかかる毎月のコストよりも高い家賃で貸せるかどうかです。

コスト計算は住宅ローン以外にも、年間の修繕積立金や管理費、毎年支払う固定資産税や都市計画税などの合計を月割にした金額が、想定される賃料相場よりも安ければリスクは少なく、資産として安定していると判断できます。

一方、売却できる価値のある物件かどうか、またいくらくらいで売却できるのかについては、少し判断がむずかしくなります。不動産売買価格の公開情報は募集価格であって、実際に売れた価格とは差がある場合もあるからです。また、売買の相場は景気やエリアの人気によって変動しやすいこともあります。物件があるエリアの不動産会社の話を聞いてみるのがいちばんよい方法でしょう。

賃貸に出すときの注意点

注意しておきたいのは、通常、マンションも一戸建ても住宅ローン返済中のマイホームを賃貸に出すことは「やむを得ない事情」がない限りできないことです。民間の金融機関の住宅ローンは、原則として本人が居住する場合以外に利用できません。無断で他人に貸した場合は契約違反になり、住宅ローンの一括返済を求められることもあります。

ここでいう「やむを得ない事情」とは、たとえば、会社から転勤命令が出た、病気療養等で自宅を留守にする、といった場合がそれに当たります。こうした事情があれば、ほとんどの銀行は住宅ローン返済中の自宅を賃貸に出すことを認めていますが、賃貸に出す期間を5年以内にするなど、細かいルールがあることもあります。対応は金融機関によって異なるので、融資契約の内容を確認しておきましょう。

ただし、住宅ローンのなかでも【フラット35】は、住宅ローンの返済が困難になった場合などにも自宅を賃貸に出すことを認めています。これも【フラット35】をおすすめしたいポイントのひとつです。

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この記事を書いた人

CFP、一級ファイナンシャル・プランニング技能士

1958年名古屋生まれ、大学卒業後、約20年間旅行会社に勤務。出張先のロサンゼルスでファイナンシャルプランナー(FP)に出会い、その業務に感銘を受け、自らもFP事務所を開業。 その後12年間。どの組織にも属さない「独立系」FPとして、誰でも必要なお金のことを気軽に考えてもらうため「人生を旅に例え、お金とも気楽に付き合う」を信念に、日本で唯一の「人生の添乗員(R)」と名乗り、個別相談業務を行なうとともにセミナー講師として活動している。 また、賃貸不動産の経営もしており、不動産経営や投資の相談にも数多くのアドバイスやプランニングをしている。

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