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「自然素材住宅」に潜む落とし穴

無垢材を使っていい場所、ダメな場所(3/3ページ)

岩崎未来岩崎未来

2016/01/04

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広葉樹を使ったほうが傷がつきにくい

そして、小さいお子さんがいる場合に特に気をつけたいのが、木の“硬さ”です。ものを落としたときや、おもちゃの車に乗ってブーブー走ったときなどにできる、傷。やはり“無垢”なので傷つきやすく、「無垢材を使ったら家が傷だらけになってみっともない……」なんて声もよく聞きます。

ここで重要なのが、使う木の種類。日本の無垢材として使用されることの多いスギは、実は非常に柔らかく、傷がつきやすい木です。一般的にスギなどの針葉樹は柔らかいものが多く、広葉樹のほうが硬く、傷がつきにくいのです。

ただ、広葉樹のほうが高コストになってしまうことが多いのですが、長い目でみたら、傷のつきにくい素材を最初から採用しておいたほうがよさそうです。まず、家を建てる前に木の種類や硬さをしっかり調べる。そして、サンプルをそろえていてしっかり説明してくれるメーカーや工務店にお願いするのが安心ですね。

脱衣所やキッチン、水周りにはおすすめできない

それから、脱衣所やキッチン、トイレなどの水回りに無垢材を使用するのはおすすめできません!前述のとおり、無垢材は水分を染み込みやすく、染み込むと落ちません。そしてそこにバスマットやトイレマット、キッチンマットなどを敷いたままにしておくと、カビが生えてしまうことも。

無垢材は本来カビが生えにくいものですが、自然素材であるがゆえ、長く密閉されて呼吸のできない状態になると、とても弱いのです。もしもすでに無垢材を使っている場合は、マット類は敷きっぱなしにしないことをおすすめします。

また、樹齢が長く、しっかり乾燥させた木を使っていないと、ひび割れやねじれが起きることもあるのだとか。「低コストで自然素材の住宅が建てられる」ことを売りにし、たくさんの家を建てているメーカーだと、乾燥期間が短かったり、若い木を使っていたりする可能性も高いです。やはり、「安いものはそれなり」だということを頭に入れておいたほうがよいかもしれませんね!

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この記事を書いた人

住宅ライター

「1級建築技能士」という国家資格を保有する昔気質の職人を夫に持つ「大工の嫁」。群馬県在住で鹿児島県出身。 都内の大学卒業後、出版社や編集プロダクションに勤務し、さまざまな実用書・書籍を手がけた後に独立。間取り図や住宅情報誌などを見るのは趣味のひとつで。都内在住中、10年で6回の引越しを経験。その後、結婚し、第一子出産後、夫の故郷である群馬県に移住。 第二子妊娠中の今、毎夜夫の仕事話を聞きながら、マイホームへの夢を募らせている。

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