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「自然素材住宅」に潜む落とし穴

無垢材を使っていい場所、ダメな場所(2/3ページ)

岩崎未来岩崎未来

2016/01/04

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無垢材にはメリットがたくさんあるけれど

「無垢材」とは、伐採した木をそのまま製材・加工したもの。つまり、ベニヤや合板のような貼りものではなく、自然そのものを使った材料、ということです。最近では、その風合いや機能性から積極的に無垢材を使って家を建てる方も多く、“自然素材でつくる家”を謳ったハウスメーカーや工務店も増えてきています。

確かに無垢材を使うことによるメリットはたくさんあります。まず、木は伐採されたあとも呼吸を続けるため、湿度を調節してくれるほか、夏は涼しく冬は暖かい、という効果もあります。そして、狂いなく建てられた木造建築の耐震性は、鉄骨やコンクリートでつくられた家を上回るそう。見た目もナチュラルモダンな雰囲気が出ますし、室内に木の香りが漂って、一石二鳥、いや五鳥くらいあるかも!

……と思い、ありとあらゆる場所に無垢材を使う方も多いようですが、それはもしかしたら大きな間違いかもしれません! 前述のとおり、無垢材にはたくさんメリットがありますが、デメリットだってあります。さらに、使う場所や木の種類もよく考えないと、せっかく高いコストをかけて建てた家が台無しになってしまうことも。

木の伸縮でフローリングに隙間が

まず、いちばん多く無垢材を使う場所が、リビングのフローリング。前述のとおり、木は呼吸を続け、湿気を吸ったり吐いたりしてくれるわけですが、その過程で木が伸び縮みするのです。そうすると、フローリングの板の隙間も伸び縮みし、そこにゴミが溜まったりして、掃除の手間が出てきます。

腕のよい大工さんがしっかりつくった家であれば、そこまでの狂いはでないようですが、格安のハウスメーカーで建てた家や建売住宅などでは、木の伸縮による狂いが比較的生じやすいようです。それから、飲み物などをこぼすと“無垢”なので染み込みやすく、染み込むとなかなか落ちない、というデメリットもあります。

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この記事を書いた人

住宅ライター

「1級建築技能士」という国家資格を保有する昔気質の職人を夫に持つ「大工の嫁」。群馬県在住で鹿児島県出身。 都内の大学卒業後、出版社や編集プロダクションに勤務し、さまざまな実用書・書籍を手がけた後に独立。間取り図や住宅情報誌などを見るのは趣味のひとつで。都内在住中、10年で6回の引越しを経験。その後、結婚し、第一子出産後、夫の故郷である群馬県に移住。 第二子妊娠中の今、毎夜夫の仕事話を聞きながら、マイホームへの夢を募らせている。

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